2012年3月24日土曜日

「取り戻せる自信あった」 年金資産消失 AIJ社長が釈明

投資をする人が絶対に思うことだけどさあ・・・他人のお金で運用してるんだからねえ。




 AIJ投資顧問(東京都中央区、浅川和彦社長=59)の年金資産消失問題で、同社が虚偽の運用実績を示すなどして顧客に契約を結ばせた疑いが強まったとして、証券取引等監視委員会は23日、金融商品取引法違反(契約の偽計)容疑で同社などを強制調査した。監視委の検査の結果、AIJが年金基金から受け入れた額は1458億円で、運用損は1092億円と判明。金融庁は同日、AIJの金融商品取引業の登録を取り消し、同社が実質的に支配しているアイティーエム証券に6カ月の業務停止を命じた。



 同法違反の疑いが持たれている浅川社長は、この日までにフジサンケイビジネスアイの取材に応じ、実態と異なる運用利回りを顧客に伝えたことを認める一方、巨額の運用損については「取り戻せる自信はあった」と釈明した。

 浅川氏との主なやりとりは以下の通り。

 --顧客に対する気持ちは

 「申し訳ない気持ちだ。謝りたい。特に、私どもを信じてファンドを買って損をした年金基金のみなさまには心から謝罪したい。結果的に運用の見込み違いもあり、失敗だったが、取り戻せる自信はあった」

 --なぜ運用実績を偽ったのか

 「(利回り報告を)水増しした分は元に戻せると思った。損失を出したままで返金をしたくなかった。(水増しをしなければ)顧客に見限られ、(資産を運用していた)ファンドが立ち行かなくなる可能性があると思った」

 ■水増し数値 傘下証券に伝える

 --業務停止命令が出なければ運用を続けていたのか。利益を出す算段はあったのか

 「続けていたと思うし勝算もあると思っていた。バクチをやっているつもりはない。研究もしている。気持ちで負けたら負けという気概でやっている。本当に勝つ人は負けを経験してこそ。努力で挽回できるものと思っている。ジョージ・ソロスのような世界的に著名なファンドマネジャーでも一緒だと思う」

 --少数の投資家を対象にした私募投資信託を英領ケイマン籍で作り、意図的に運用実態を見えにくくしたとの指摘がある

 「そのような意図はない。当時、国内の信託銀行では少額の資金ではファンドを作ってくれる環境ではなかった。ファンドを立ち上げた2002年は海外私募投信での運用の仕組みが一般的。(租税回避ができるケイマン籍なら)余分な税金を払わなくて済む。余分な税金を払えば顧客のもうけも減ってしまうと思った」

 --客から預かった資産の流用は

 「ありえない。まずAIJは年金基金などの顧客と投資一任契約を結ぶ。信託銀行にはうちのファンドをアイティーエム証券から買ってくださいと指示を出す。そこから受託銀行(香港)のファンドの口座に金が入り、資金の出入りの管理をしていた。運用はシンガポールの運用取次業者に指示して行っていた。この仕組みの中でAIJが金を手にする余地はない」

 --運用は、少額の資金で多額の取引をするデリバティブ(金融派生商品)が中心だった

 「リスキー(危険)というが、オプション取引(金融派生商品の一種で株式などを売買する権利を取引する)でAIJが年間取引高30兆~40兆円というのは日々のトレーディングの結果の数字だ。10年の事業報告書には全部で57兆円の取引高と書いているが、あの通り。集めた年金基金でファンドに投下した金は1500億円弱。運用で負けた金額はこの10年間で累計1200億ぐらいだった。年金だから損を取り戻して資金を返したくて、水増ししたという側面もある」

 --09年にアイティーエム証券に関東財務局の検査が入った際に、事実を明らかにしようと思わなかったか

 「思ったことはある。証券への検査と同時にAIJにも金融庁からヒアリング(聞き取り調査)があった。あの頃は相場としてもうかり始めており、取り返せると思っていた」

 --実態と異なる運用が記された顧客説明用の表はアイティーエム証券が作ったのか

 「私が水増しした純資産価値(ファンドの1口当たりの価値に相当)の数字を送り、それを(証券会社が)表にし、私は追認したことになる。証券会社は(運用の正確な数字を)何も知らないと思う」

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