世界経済が好転しているんであれば、円安に進めば日本はありがたいよね。
日銀の2月「バレンタイン緩和」以降に急激な円安が進行しているが、為替介入に苦言を呈すことが多い欧米当局者から特段のコメントが発せられていないことが市場関係者の注目を集めている。
「金融緩和と介入は違うから当然」(政府・与党関係者)との見方もあるが、事実上の通貨安政策を取ってきた欧米当局の政策スタンスに変化があるのかが焦点だ。
為替相場はドル/円が15日午前に11カ月ぶりに84円台に乗せるなど急激な円安が進んでいる。2月初め以降の1カ月半で円は対ドル、対ユーロともに1割程度も下落している。背景には、米景気回復期待やギリシャの無秩序なデフォルト(債務不履行)回避など市場のセンチメント好転があるものの、2月14日に日銀が打ち出した事実上のインフレ目標導入と、予想外のタイミングで打ち出された追加緩和の効果が出ているのは否定できない。
昨年、政府・日銀が為替介入や金融緩和で円高是正を図った直後は、欧米当局が陰に陽に口出しすることが多かった。8月は欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁(当時)が「市場介入は多国間の決定でなされるべき」と日本の単独介入をけん制。米国は昨年12月に公表した外国為替報告書で日本が8月と10月に行った単独介入を「支持しなかった」と明記した。このほか、日本政府が昨秋に対ユーロでの介入を兼ねた欧州国債の買い増しを計画した際も米国が難色を示し頓挫した経緯があるようだ。
政府・日銀関係者の間では「景気回復期待で市場がリスクオンに傾き、現在の円水準が欧米にとって過度に割安とは言えない」(幹部)との見方が主流。一方、ドル/円が100円を超えるなど今後の円安進行次第で欧米が苦言を呈す可能性はあるとの声も聞かれる。
ただ、新型天然ガスのシェールガスの増産観測などで、米国の国内産業の競争力が回復し、中東産原油・ガスへの依存度減少により経常収支が改善するとの期待も現在のドル高進行の背景にある。米国による事実上のドル安政策が何らかの転機を迎える可能性はあり、急激な円安が欧米当局から黙認され続けるのかどうか注目される。
2012年3月15日木曜日
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