総括原価方式を見直してくれよ。不透明すぎないかい?公益性が高く、なおかつ寡占事業なんだからさ。
電気料金制度の運用見直しを進めてきた有識者会議が15日まとめた報告書では、原価に算入する人件費をこれまでより低く抑えるなど、電力会社の高コスト体質に一定程度メスを入れることに成功した。ただ、議論はあくまでこれまで電力料金の算定に使ってきた「総括原価方式」の枠内で行われ、料金の値上げの抑制効果などは限定的と言わざるを得ない。
東電が08年に料金を改定した際の総原価の内訳は、燃料費が37%を占めるほか、過去に投資した設備の減価償却費が12.4%、税金関連が6.2%など圧縮が難しい項目が多い。今回報告書が打ち出した人件費(8%)や広告宣伝費(0.4%)の削減だけでは値上げの抑制効果は限られる。
総括原価方式は一定の利潤を確保できるよう料金を設定するため、「設備投資などにカネを使えば使うほど利益が増える」(電力関係者)構造で、過剰投資や高コスト体質の一因とされてきた。経済産業省関係者は「総括原価方式にメスを入れなければ、状況は大きく変わらない」と指摘する。
また、報告書では、定期検査で停止している原発の再稼働が見通せないことを踏まえ、電源構成が大きく変わった際、料金に反映させやすくすることも盛り込んだ。例えば、国の認可を経て一度値上げした電力会社で、その後の原価算定期間に見込んでいた原発再稼働が実現しなかった場合、「電源構成が大きく変わった」として、従来より短期間で再値上げの認可を得られるようになる。
原発停止で各電力会社は燃料費負担の増加にあえいでいる。報告書は「恣意(しい)的な料金転嫁を防ぐ必要がある」と、安易な値上げにクギを刺し、値上げ申請しない場合も定期的に行政がチェックすることを明記。想定より早く原発が再稼働した場合は、料金を戻すことも求めている。
東電は今夏にも家庭向け電気料金を値上げする方針。報告書は、値上げが妥当かチェックするために公認会計士など外部専門家を積極的に活用することをうたっているが、具体的な仕組みづくりは「これから」(経産省)で、作業を急ぐ必要がある。総括原価方式をどうやって抜本的に見直していくかなど、電気料金制度を巡る課題はまだまだ多い。
2012年3月15日木曜日
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