2012年3月8日木曜日

<経常赤字>最大4373億円…輸出減で3年ぶり 1月

生産的な分野においても、最近の円高で他国に価格競争で負けてしまってるからなあ。厳しいね・・・




 財務省が8日発表した1月の経常収支は、過去最大の4373億円の赤字となった。赤字転落は09年1月以来3年ぶり。2月以降は黒字に回復しそうだが、中長期では経常赤字の定着が避けられない。いつ赤字体質になるかは見方が分かれるが、生活へのしわ寄せを避けるため、成長力強化や財政健全化の取り組みを求められることに変わりはない。

 1月はそもそも、正月休みで輸出が減りがちなのに加え、今年は中国の旧正月が1月下旬になったことで輸出の落ち込みが大きく、輸出から輸入を差し引いた貿易赤字が拡大。所得収支(海外からの配当など)の黒字でも補えなかった。

 経常収支は、日本と海外とのモノや資金のやりとりを総合したもの。このうち貿易収支は、新興国の追い上げでモノづくりの国際競争力が弱くなり、産業空洞化が進展、いずれは赤字が定着する見通しだ。日本は、家庭の貯蓄や貿易で稼いだ資金で、海外の株式や国債など膨大な資産を購入しており、今なら貿易赤字になっても、海外からの配当などの所得収支でカバーできるが、将来的には貯蓄率低下などを背景に「所得収支の悪化が徐々に進み、25年ごろには経常赤字となる可能性がある」(野村証券の岡崎康平エコノミスト)。

 世界経済の低迷が続けば、経常赤字に転落するペースはさらに速まる。足元では欧州債務危機への懸念がひとまず後退し、円高も一服しているが、欧州危機が再燃すれば、新興国経済にも飛び火し、輸出が落ち込む。一方で原発停止や資源価格の高止まりで火力発電の燃料輸入費が膨らんだままで、貿易赤字は拡大。株式・債券市場は低迷し、円高も相まって海外からの収入も目減りしかねない。クレディ・スイス証券の塩野剛志エコノミストは「貿易赤字が拡大し、14年度中にも経常赤字が定着する」と話す。

 ただ、米英などでは既に経常赤字が定着。経常赤字は、国内だけで資金をまかなえない状況を示すが、成長産業があれば海外から資金が集まり、国内の経済活動を支えることが可能だ。これに対し日本は、産業の国際競争力が低下する中、新たな成長のエンジンを見つけられない。一方で国と地方は膨大な債務残高を抱えており、「政府は借金を返済できない」と考える投資家が増えれば、国債の投げ売りにつながる。そうなれば金利が上昇して雇用や生産が悪化するだけに、財政再建や成長戦略の強化が欠かせない。【

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