2012年3月4日日曜日

<原油価格上昇>企業「努力の限界超えた」 家計に影響懸念

企業も家計も苦しくなるね。投機マネーを規制できないもんかねえ・・・


 イラン情勢の緊迫を背景にした原油価格の上昇で、石油化学製品やガソリンが値上がりし、企業からコスト増による収益圧迫を懸念する声が上がっている。包装容器など幅広い製品の価格に転嫁されれば、家計にも影響し、消費が冷え込む懸念もある。

 商船三井は、船の燃料の重油の価格が1トン当たり1ドル上がると、年間約2億円のコスト増になるという。減速航行で節約しているが、海運業界では「高騰が続けば契約更改時に運賃値上げを要請せざるを得ない」(大手商船)との声も出ている。

 ガソリンの値上がりも企業や家計の負担増になりそうだ。石油情報センターによると、2月27日現在のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は前週(20日)比2円高の145円50銭。2週連続で値上がりした。昨年2月(138~139円台)と比べて7円前後も上がった。

 値上げは、原油価格の上昇が原因だ。指標となるニューヨーク・マーカンタイル取引所で米国産標準油種(WTI)が1日、昨年5月以来、約10カ月ぶりに一時1バレル=110ドル台をつけるなど、2月以降、上昇基調が強まっている。

 住友化学は1日、ポリ袋などに使う合成樹脂のポリエチレンと自動車部材などに使うポリプロピレンを4月から、1キロ当たり20円以上(10%程度)値上げする方針を発表。信越化学工業も4月から、「原燃料価格の上昇が企業努力の限界をはるかに超えている」として、配水管などに使われる塩化ビニール樹脂を1キロ当たり15円以上(10~15%程度)値上げする。ただ、原材料が値上がりしても、デフレ下では「製品価格に転嫁しづらい」(メーカー)との声は根強く、今後、幅広い業界で収益圧迫要因になりそうだ。

 07~08年に原油が高騰した際、包装材料などの価格上昇を理由に値上げが相次いだ冷凍食品は「経営努力で吸収できている」(ニチレイ)。07~08年は世界的な好景気で商品市場に投機資金が流れ込み、小麦など食料価格も上昇したため値上げを避けられなかったが、今回は景気が減速基調で「食材の値動きは想定内」(同社)という。

0 件のコメント:

コメントを投稿