競争・協同して、証券会社も投資家も、成長していけるのがいいよな。
ネット証券4社(SBI証券、カブドットコム証券、マネックス証券、楽天証券)による投資信託の販売プロジェクト「資産倍増プロジェクト」は、2年目を迎えて「投信だけではなく、証券市場全般の活性化に向けて4社が共同で問題提起していくことができる」(楽天証券代表取締役社長の楠雄治氏)と新しい連携ステージに入ったことをうかがわせた。3月18日に「ネットで投信フォーラムin Tokyo」を開催したことに合わせて4社の社長が共同で記者会見を行った場で、新年度の活動方針を明らかにした。
ネット証券4社は、個人投資家向けの株式売買のプラットフォームの座を巡っては、日常的に激しく競合している。「金融とネットの親和性は高く、金融のネット化という流れを積極的にリードし、SBIグループとしてワンストップで金融ニーズを解決できる利便性を提供する」(SBI証券代表取締役社長の澤田安太郎氏)。「MUFGグループの金融デパートの中で個人投資家向けの通信販売会社としての特徴を強く打ち出したサービスを提供する。システムに強いこだわりを持ち、スマホやタブレットなど新しいデバイスに積極的に対応していきたい」(カブドットコム証券代表取締役社長の齋藤正勝氏)。
「Monexは、Moneyの『y』を一歩進めて『x』にするという、未来の金融を意図した社名。常に最新の考え方に基づいた金融サービスを提供し、個人投資家のためになる存在であり続けたい」(マネックス証券代表取締役社長CEOの松本大氏)。「楽天グループが提供するEverything楽天の考え方にそって、生活の一部として利用していただける金融サービスを提供していきたい。ポイントサービスを通じて、市場、トラベル、銀行等のグループ各社との連携を深めていく」(楽天証券の楠氏)と、各社各様の個性も際立ってきている。
2011年3月2日にスタートした「資産倍増プロジェクト」については、「2011年度の個人向け投信販売額は、全体で前年比マイナス1.5%だったところ、ネット証券4社では22%増になった。当初の期待には及ばないものの、4社が共同で取り組んだという意義は示せた」(カブドットコム証券の齋藤氏)と総括。販売実績は伴わなかったものの、「たとえば、4社が共同で個人投資家1万4000人アンケートを実施するなど、お客さまの声を一度に大量に集めるということは、4社が連携してはじめてできること。このような実績ができたことは大成功だと思う」(マネックス証券の松本氏)。また、販売実績にしても「1年目はスタートアップ。長く続けることで結果がついてくる」(SBI証券の澤田氏)と前向きに評価している。
そして、「ネット証券4社で共同プロジェクトを開始して以来、社長4人で話し合う機会が何度かあったが、お互いにサービスを競い合う競合ではあるものの、話し合ってみると市場の活性化策や証券規制などについて、同じような問題意識を持っているということがわかってきた。今回の一斉アンケートについても個人投資家1万4000人の声をさっと集めてしまえるのは、4社が共同で行うからこその成果といえる。4社が一緒にできることは投信以外にもあるのではないかというのが、今回、改めて集まってみて感じているところだ。お客さまの声を規制当局にも届けることによって、お客さまが希望する使い勝手の良い証券市場に改革していく手伝いができるのではないかと思う」(楽天証券の楠氏)として、一段と厚みのある連携へと共同プロジェクトを進化させていくという決意を語っていた。
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