2011年10月5日水曜日

<iPhone4S>独占崩れ消耗戦も…14日発売

iPhone5は、また次回ですね。KDDIが、どんなプランを打ち出してくるでしょうか?


 米アップルは4日、スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)4」の改良版「4S」を日米などで14日に発売すると発表した。日本ではソフトバンクモバイルとともに、KDDI(au)も同日発売することになり、ソフトバンクの独占体制が崩れ、携帯電話会社間の競争激化が予想される。一方、完全な新型機ではなく改良が一部にとどまったことから他のスマートフォンメーカーからは安堵(あんど)の声も漏れた。

「日本は偉大なパートナーのソフトバンクと、KDDIからも初めて発売する」。アップルは1時間半余りにわたって開いたイベントの締めくくりに、アイフォーン4Sを日本で2社同時に発売することを発表した。

ソフトバンクが08年7月の初代機発売以来、人気機種を独占することでシェアを拡大してきた構図が崩れ、激しい販売競争が幕を開けるのは必至。注目される価格はKDDIが6日にも発表。ソフトバンクもKDDIの価格を見極めるため6日以降に持ち越した。

ソフトバンクは本体価格4万6080円のアイフォーン4の安い方の機種を、通信料金の割引を提供することで実質ゼロ円で提供し、データ通信料金も他のスマートフォンより約1000円安くしていた。KDDIもこれに対抗できる価格設定をするのは確実とみられる。

さらにKDDIは米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」やマイクロソフトのOS「ウィンドウズフォン」搭載のスマートフォンも多数販売している。ほとんどは割引を含めた実質2万~3万円台で販売しているが、全体的な値下げに踏み切る可能性もある。この場合、アンドロイド端末のみを販売するNTTドコモを巻き込んでの消耗戦に入る可能性もある。

ただ、アイフォーンの獲得はKDDIにとって「両刃の剣」にもなりかねない。同社は先週、高速通信「ワイマックス」対応のスマートフォンを発表。メリルリンチ日本証券の高橋圭アナリストは「ワイマックスに対応していないアイフォーンばかりが売れると通信回線の負荷が増し、現在のソフトバンク同様につながりにくくなる」と指摘する。

一方のソフトバンクは、急成長を前提に大胆な値引きなどをしてきた戦略の変更を余儀なくされる可能性がある。NTTドコモも通信回線に定評のあるKDDIの参入でアイフォーンへの顧客流出が加速する懸念もあり、値下げ競争に踏み切らざるを得ない可能性もある。

◇「5」出ず失望、落胆

「アップルが他社を引き離せているのはさまざまな機能を連動させる技術があるからだ」。アイフォーン4Sを発表したアップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)は成果を強調した。

4Sは高度な音声認識機能(日本語対応は未定)を新たに搭載したほか、カメラの画質も向上。しかし予想されていたデザインや機能の画期的な変化を盛り込んだ「アイフォーン5」ではなく、改良版にとどまったことで、8月に退任したカリスマ経営者のジョブズ前CEOの後を受けたクック新体制は地味な船出となった。

東京・銀座のアップルストアでは「『4』が出た時の衝撃はなかった」(28歳の女性会社員)、「『5』が出れば買い替えを考えたが、しばらくは『4』を使う」(26歳の女性会社員)と落胆の声も。4Sの発表後にアップルの株価は下落した。

アンドロイド端末でアップルを追い上げる国内メーカーは胸をなで下ろす。調査会社BCNによると、アップルの日本での月間販売台数のシェアは10年9月に6割弱を占めたが、その後に各社が1000万画素を超える高画質なデジカメや、ワンセグ対応など独自の機能を搭載したアンドロイド端末を相次いで投入し、今年9月には15.1%まで低下した。BCNの森英二アナリストは「今後もアイフォーンとのすみわけが進む」と分析する。

ただ、KDDIが販売に参入し、アイフォーンの販売競争が激化することは確実で、価格面で不利な取り扱いを受ける可能性もあるアンドロイド陣営には警戒感は抜けない。

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