2011年8月20日土曜日

スマホ普及、各社回線強化 3G、無線LAN基地局増強

ここからのキャリアの対応で、差が出てくるかな?


 スマートフォン(高機能携帯電話)の普及によってデータ通信量が急増し回線不足が懸念されていることに対し、携帯電話各社が回線強化などの対応策に乗り出した。NTTドコモは東京都心部などに基地局を増設するほか、KDDIは大量のデータ通信を行う利用者に対し10月から速度制限を実施することを決めた。第3世代携帯電話(3G)回線だけでなく、公衆無線LAN回線を活用する対策も進めている。

3G回線増強として、ドコモは7月中旬に渋谷、8月11日に池袋に新たな基地局を設置したほか、年内には渋谷にさらに1局と新宿にも整備する。利用者の多い繁華街や駅周辺では回線がデータ通信をさばききれず速度が遅くなる事態も発生しており、基地局を増設することで「処理能力を10%程度引き上げる」(広報)という。

一方、KDDIは15日、直近3日間で300万パケット(1パケットは128バイト)のデータ通信を使用したスマホ利用者に対し、24時間の通信速度制限を実施すると発表。ドコモも同様の速度制限を実施する場合があるとしている。

回線パンクを防ぐため、通信を無線LAN「WiFi」など他回線に逃がすオフロード対策も進めている。ドコモは月額315円の「WiFi」サービスに使う無線基地局の数を1年以内に現在の6800局から3万局に増やし、数年以内に10万局まで拡大する予定だ。KDDIも2011年度末に現在の1万局から10万局と急ピッチで増設。ソフトバンクもファストフード店などに設置した基地局を3万局から10万局に引き上げる。

スマホでは大容量の動画閲覧やアプリ(専用ソフト)の取り込みで、「通信量が一般の携帯電話の10~20倍」(KDDI)と桁違いに大きいため、急速なスマホ普及により回線パンクが懸念されていた。

一方、データ通信の急激な増加は、数%の利用者が通信量全体の半分弱を使用しているという実態もある。ソフトバンクの孫正義社長は先月、「ほんの数%の人が大量に使うことで他の人が迷惑する」と指摘。データ通信料の「定額制」を見直す可能性にも言及した。米国の通信大手が定額制から従量課金制に切り替えたのを念頭に置いた発言だが、総務省からは「スマホを前面に打ち出しながら、データが増えると値上げというのは都合がよすぎる」(幹部)との声も上がっている。

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