経済が疲弊していくのかな、世界的に・・・
歴史的な円高水準にもかかわらず、輸入品を扱う食品業や小売業などで消費者に還元する動きがあまり見られない。背景には、スーパーなどが円高還元セールを繰り広げた昨年に比べ、原油や穀物などの原料費、中国などの人件費が上昇し、円高メリットが減っていることにある。国内では円高メリットを感じにくいなか、海外旅行を目指す人は増えているが、旅行先は燃料費の上乗せが少ない近場が中心のようだ。
100円ショップ「ザ・ダイソー」を全国展開する大創産業(広島県東広島市)は、商品の7割を中国とベトナムで生産・輸入している。円高は利益の上積みにつながるはずだが、中国などでの人件費上昇に加え、原油高騰による船賃上昇で「円高が追い風ではなくなった」という。
4月に6割増床した大丸梅田店(大阪市北区)は、集客力のある大型テナントに場所を賃貸する「新百貨店モデル」を導入した。百貨店側で価格決定権を持つ商品が全体の1~2割しかないため、一斉の還元セールは難しいうえ、欧米の高級婦人ブランドは値崩れを嫌って円高セールはしない方針だ。
穀物の高騰も円高メリットを低減させており、日清食品ホールディングスの安藤宏基社長は「小麦など穀物価格は世界的に上昇基調が続いている。本当なら値上げを考えないといけないが、円高で何とか相殺できている状態」とこぼす。
一方、旅行会社では、燃料価格の高騰分を輸送運賃に上乗せする燃油サーチャージの上昇が影響。ツアー価格の値引きに踏み込めないようだ。
ただ、円高メリットを直接享受できる「海外での買い物意欲は高まっている」。JTBは出発を1~3カ月後に控える海外ツアーの予約サイトなどで、「円高の今がチャンス」とPR。8月12~19日の予約状況は東南アジアが前年同期の2割増、グアムが5割増になったが、燃油サーチャージの高い欧米方面の予約は少ない。
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