今の株価なら、投売りが起きなければ買いの水準だよね。
12日のNYダウは続伸した。7月の米小売売上高は前月比0.5%増加。増加は2カ月連続。これが好感された。恐怖指数(VIX指数)は前日比2.64(6.77%)安の36.36だった。シカゴ日経平均先物(円建て)は9040円大証清算値比80円高だった。なお、12日の欧州株式市場は続伸。フランス、イタリア、スペイン、ベルギーが金融株の空売りを禁止したことを受け、これまで売り込まれていた銀行株に買いが入ったことが寄与した。
ところで、NYダウは11日まで4日連続で終値の騰落幅が400ドルを超えた。115年に及ぶダウ平均算出の歴史で初めての記録だという。このような異常な高ボラティリテー状態はそう長くは続かず、徐々に市場は落ち着きを取り戻すだろうが、今すぐそうなるわけではない。今回のボラの急上昇の主因は、「米国債の格付け引き下げと米国景気鈍化懸念」と、「欧州債務問題の深刻化」だ。これらの問題・危機に各国の政策当局がきっちりした対応を示し、市場がそれに信頼をよせるまで、急騰・急落を続け易い不安定な環境は継続する見通し。
ただし、今週の日経平均は9日の8656.79円までの急落後のリバウンドを想定する。もちろん、欧米株式市場が想定を超える波乱となれば話は別だ。それでもある程度の許容の範囲内の動きなら、日経平均の想定レンジは8800円~9200円程度だ。欧米信用不安が沈静化し、円高が一服し、外国人投資家のリスク許容度が増すようなら9600円程度までの上振れもあり得るとみている。
なお、12日現在、日経225のPBR1倍水準は9054円、TOPIXは800ポイントだ。今後も基本的には、PBR1倍から下の水準では、年金などの長期スタンスの買いが入り続けることが予想される。このため、外部環境が想定を超える悪化とならない限り、純資産面から日本株は底堅さを発揮する公算が大きい。
また、景気刺激策として財政出動ができない(制約のある)欧米とは異なり、日本は震災復興の名目で、積極的な公共投資を行うことが可能だ。特に、菅首相退陣後は、3次補正予算の成立、執行がスムースになる見通しだ。この政府部門の積極支出による需要創出により、今後わが国の景気は先進国で唯一V字回復することが期待できる。このため、相対的に日本株は他の先進国に比べて、買われ易い(少なくとも、売られ難い)状況が継続しよう。
需給面では、相場が下がれば日銀がETFを購入し続けることだろう。また、9日前場に日経平均が8656.79円を付けたが、当日はその当時のムード、値動き等を総合的に判断し、信用買い方の追証絡みの投げ売りがピークを打った可能性が高いとみている。つまり、投げるべき人が投げきったため、信用需給は大幅に改善したと考える。この想定通りなら、当面の東京市場では、よほど想定を超える急落に見舞われない限り、追証絡みの切羽詰った売りは出てこないだろう。
以上のことから、今週の日経平均は下がり難い状況の中、戻りのきっかけを待つ週になるとみている。物色面では、外部環境が不透明な間は、内需株が選好されるだろう。また、スマートフォンやソーシャルゲームなど、金融不安などとは無縁に普及・成長が期待できる領域で事業を展開する企業群には物色の矛先が向かい続ける見通しだ。
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