2011年8月23日火曜日

<金価格>NYで初めて1900ドル突破 高騰止まらず

あーあ、10年前から買っとけばよかったー!すげー儲かってたろうなあ。


 金の価格高騰が止まらない。22日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の金先物市場では一時、1オンス=1917.90ドルまで上昇し、初めて1900ドルを突破、過去最高値を更新した。23日の東京工業品取引所でも一時、1グラム=4725円まで上昇し、3営業日連続で過去最高値を更新した。世界的な金融市場の混乱の中、投資家のリスク回避を象徴する動きといえ、「2000ドル突破」も視野に入ってきた。

「8月に世界的な景気の不透明感が増すなか、金価格上昇を促す出来事が多く、国際的に金への関心が高まっている」。東京工業品取引所の江崎格社長は23日の定例会見で、こう語った。

江崎社長は、4日の日本政府による円売り介入、5日の米国債格下げ、9日の米連邦準備制度理事会(FRB)による事実上のゼロ金利継続宣言を挙げた。米欧の景気先行き懸念に加え、米国債の格下げショックで世界同時株安が発生し、金への「質への逃避」が鮮明となった。さらに(1)円が売られれば、より安全な金に資金が流入しやすくなる(2)米国の超低金利が長期化すれば金利のない金に有利--といった連想が金買いに拍車を掛けている。

年初に1400ドル超だった金価格は今年、一貫して上昇。8月にピッチを速め7月末の1631ドルから約3週間で一気に1900ドルを突破した。

金高騰は短期的には投資家が「安全資産」としての金に資金を移しているためだが、長期的には「新興国が需要を拡大させていた影響もある」(丸紅経済研究所の柴田明夫代表)。「外貨準備の構成比率を調整するため、中国やロシアなど新興国の中央銀行も買っている」(野村証券の大越龍文シニアエコノミスト)と言い、柴田代表は「高騰基調が変わる要因が少なく、米国で1オンス=2000ドルを超える可能性が高い」と予想する。

◇個人投資家の「換金売り」増加

「米国市場で1900ドルを突破し、今がチャンスだと思ってきた。いくらになるか楽しみです」。23日午後、東京都千代田区の貴金属大手「徳力本店」に地金(金塊)を売りに訪れ、順番待ちをしていた同区の60歳代の女性は、笑顔を見せた。

同店のこの日の買い取り価格は、1グラム=4787円。8月に入り600円(12%)も価格が上昇。連日買い取りを求める客が殺到し、この日も最大で約50人が順番待ちの列を作った。最大手の田中貴金属工業も盛況で、店舗によっては「1人10点まで」など買い取り制限を設けて対応している。

日本の個人投資家の「換金売り」の増加は、金輸出増にも結びつく。ワールド・ゴールド・カウンシルによると、今年1~6月の金の輸出量は53.8トンと前年同期比で7・9トン(17%)増加。08年の過去最高(95.5トン)を更新する勢いだ。



英貴金属調査会社の「ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ」(GFMS)によると、10年の世界の金の供給量は4334トン。うち鉱山生産量が2689トン、中古金スクラップが1645トンを占める。

10年末の金の保有量は、16万6600トンに上る。内訳は宝飾品が52%、民間投資19%、公的保有が16%、工業用などその他加工品が11%、不明(紛失など)2%となっている。

世界で通用する「国際的な安全資産」の金は、各国政府や中央銀行など公的機関が保有している。金の国際的調査機関「ワールド・ゴールド・カウンシル」の集計(11年8月)によると、米国が8133トンと最も多く、ドイツ3401トン、IMF(国際通貨基金)2814トン、イタリア2451トン、フランス2435トン、中国1054トンと続く。日本は765トンにとどまっている。また、金産出国としては中国や南アフリカ、オーストラリアなどが上位を占める。

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