2012年5月7日月曜日

日経平均がバレンタイン緩和後の上昇分吐き出す、買い戻しの勢い弱い

外部要因が強すぎるよね。ここで踏ん張れるかなあ。厳しいだろうなあ・・・


連休明けの東京株式市場で日経平均<.N225>は261円安となり、今年最大の下げ幅となった。海外要因に対する懸念の高まりからリスク回避の動きが強まり、約3カ月ぶりの安値圏まで下落。日銀の「バレンタイン緩和」からの上昇分をほぼ吐き出した。

テクニカル面での売られ過ぎのシグナルが出ているほか、国内企業業績に対する期待感もあり下値では買い戻しや打診買いが観測されているものの勢いは弱い。円高や海外次第では9000円割れの可能性も強まるため、投資家の買い姿勢はあくまで「半身」だ。

「市場がリセットされた」──欧州系証券の株式トレーダーはこう話す。日経平均は日銀が追加緩和に踏み切った2月14日から3月27日の高値1万0255円15銭まで値幅にして約1200円上昇したが、7日までにそのほとんどを吐き出し、いわゆる「往って来い」の相場となった。前月末の日銀追加緩和の効果は短く、4月米雇用統計の下振れによる米経済減速懸念やフランス・ギリシャの選挙を受けた欧州財政改革の遅れへの警戒感などが市場センチメントを悪化させている。

7日の東京市場では、TOPIX<.TOPX>の下落率が1%を大きく超え、日銀による指数連動型上場投資信託受益権(ETF)買い入れの期待が高まったものの、後場の戻りは鈍かった。米系証券の株式トレーダーは「外国人投資家は不透明感が強まる欧米情勢を背景にリスクオフの動きを強めている。日本株を売り込む感じではないが、ロングオンリーのヘッジファンドなどからポジションを外す動きがみられる」と話す。

外為市場でドル/円が79円台、ユーロ/円が103円台にあり、円高に対する警戒感が根強いことも手控え要因だ。みずほ証券リサーチ&コンサルティングによると、5月2日までに発表された東証1部の上場企業271社(除く金融)の2013年3月期の純利益見通しは前期比78.5%増となった。期初時点では保守的な数値が出やすいなか、事前想定に沿った強めの数値が出ていることはポジティブ材料だ。「今週はトヨタ自動車<7203.T>や日立<6501.T>、ソニー<6758.T>などの決算発表があり、主力企業の好業績が明らかとなれば見直し買いにつながりやすい」(準大手証券)という。だが、このまま円高が進行すれば、収益回復予想の前提が崩れる。

加えて7日にはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)関連銘柄への売りも市場心理を冷やした。消費者庁が特定のカードをそろえると希少アイテムが当たる「コンプリート(コンプ)ガチャ」と呼ばれる商法について景品表示法で禁じる懸賞に当たると判断し、近く見解を公表すると一部で報じられ、グリー<3632.T>やDeNA<2432.T>、サイバーエージェント<4751.T>などがストップ安となった。東証マザーズ指数<.MTHR>も大幅反落。「個人投資家に人気の高い銘柄であり、これらが下げ止まらない限り市場全体への影響を見極めにくい」(国内証券)という。

急激な下げによって、テクニカル指標では売られ過ぎのシグナルが点灯している。東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は67.94%となり、売られ過ぎのめどとされる70%を下回ったほか、25日移動平均線(9623円88銭=7日時点)とのかい離率もマイナス5.24%と短期的な底入れの目安とされるマイナス5%を下回った。下値では200日移動平均線(9066円30銭=同)などがサポートラインとして意識されるといい、市場からは「下値では国内系の押し目買いが入り底堅さも出ている」(大手証券)との指摘も聞かれている。

ただ投資家の買い姿勢は依然慎重だ。日経平均9000円水準が意識され始めており、「外部要因次第では9000円割れも視野に入る」(欧州系証券トレーダー)という。松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は「売られ過ぎのテクニカル指標や国内企業決算に対する期待感などからリバウンドがあってしかるべき」としたうえで、「日経平均が水準を切り下げてきたことからゴールデンウィークまでとみていた調整局面が長引く可能性が濃くなってきた。5月いっぱいは下値固めの動きが想定される」と述べている。

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