2012年5月16日水曜日

<欧州危機>ギリシャ「ユーロ離脱」懸念 緊縮策放棄に不安

どうなるんだろうね。今後の世界経済の流れを決める一年になるかもしれないね。

 ギリシャの連立政権協議が15日、不調に終わり、6月再選挙が決まった。出直し選挙で、緊縮財政反対派が勝ち、財政再建計画を破棄すれば、欧州連合(EU)などからの支援が打ち切られる可能性がある。市場では「ギリシャのユーロ離脱も現実味を帯びる」とのささやきも広がり、欧州発のユーロ安、株安が米国、日本、アジアの新興国にまで波及。世界経済の減速懸念に拍車をかけている。

■離脱に高いハードル

 EUの行政執行機関「欧州委員会」によると、EUの基本条約「リスボン条約」は「ユーロからの離脱は想定していない」。そのため、ユーロの使用をやめ、独自通貨に切り替えるには「EUからの離脱が必要」となる。ユーロを抜けるが、EUには残りたい場合、いったんEUを脱退し、ユーロも離脱。その後、英国のようにユーロを導入しない前提条件でEUに再加盟するしかない。

 EU脱退の承認には、申請国を除くEU加盟国(27カ国)の人口比などを考慮した「多数決が必要」で、承認されたとしても「2年間は離脱できない」規定がある。

 ユーロだけ離脱できるようにするための条約改正には、各国の議会や国民投票での承認を得なくてはならない。いずれのケースでも、ユーロ離脱のハードルは極めて高い。

■超インフレも

 仮にユーロから離脱できた場合、ユーロ加盟前に使用していた通貨「ドラクマ」が復活することになる。ギリシャは、欧州中央銀行(ECB)の握る金融政策運営の権限を手にし、利下げなど景気刺激につながる金融緩和策を自らの判断で打てるようになる。

 また、ギリシャの財政難を反映し、為替市場でのドラクマの評価が極めて低くなるのは確実。ドラクマ安によって、外国人はより安くギリシャ製品を買えるようになるので、輸出増が期待される。ただ、ギリシャに輸出産業は少ない。恩恵は、外国人観光客の増加など一部に限られそうだ。

 一方、通貨下落は、輸入物価上昇を招く弊害がある。「ドラクマ」が急落し、交換レートが現在の半分となれば、輸入価格は2倍になる。日本と同様、石油、ガスを海外に依存するギリシャにとっては厳しい。ユーロ建てローンで住宅や車を購入した消費者のドラクマ建ての返済額は倍増、ドラクマでの預貯金の価値も半分に減る。これを恐れ、ギリシャでは、預貯金を海外に移す動きが本格化している。エコノミストの多くは「短期的には、激しいインフレが起きる」と警告する。

■国際社会から孤立

 メルケル独首相とオランド仏大統領は15日、ギリシャに対し、EUなどとの合意に基づく緊縮策を履行するよう強く求めた。新政権が「約束」をほごにすれば、国際的に孤立し、支援打ち切り論が浮上するのは避けられない。ギリシャは国際金融市場からも締め出され、国外の金融機関からの資金調達も難しくなる。

 支援継続と、緊縮策放棄の両立は現状ではありえず、ギリシャ国民は「ユーロだけでなく、EUに残るか、残らないかの選択」(欧州外交筋)を迫られている。【

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