2012年2月11日土曜日

車載電子端末の多機能化、運転中にフェイスブックやツイッターも

うーん・・・これは、あまり進めて欲しくないなあ・・・カーナビの操作でも危ないわけだしさ。完全に安全にできるんならいいんだけど・・・


 不注意運転防止のため交通安全規制の厳格化が検討されているのを尻目に、自動車メーカーは17インチのダッシュボード上の車載情報端末にフェイスブックから映画のチケット購入サービスまで様々なハイテク機能を次々と導入している。

 ハイテク機能導入に自動車メーカーが自信を深めている背景には、携帯電話使用の全面禁止案も含め、全国的に運転への規制を強化しようという動きが勢いを失っていることがある。

 アメリカ人が電子機器とそこから絶え間なく送り出される情報への依存を強めるなか、自動車メーカーは「コネクテッド・カー」と呼ばれるコンセプトを導入、レストランの予約からツイッターの発信まで、様々なことを時速100キロで走りながら実行できる。

 それだけではない。多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」や「アンドロイド」のアプリケーションをインポートできるソフトウエアを搭載した機器が車に搭載される日も、すぐそこまできている。

 10代のドライバーが減り、自動車を所有することにそれほどこだわらない20代のドライバーが増えていることを懸念する自動車メーカーにとって、電子機器が今まで以上に重要となっている。

 ゼネラル・モーターズ(GM)はこの春、8インチのタッチスクリーンを搭載した車を発表する。音声、タッチ、あるいはハンドルに付いたボタンを使ってオンライン・アプリケーションやカーナビ、音楽を操作できるものだ。フォードは既に、「SYNC」(シンク)という技術を使って、ドライバーがツイッターを送受信したりオンライン音楽を聞いたりできる。

 メルセデス・ベンツは今春、フェイスブック機能やグーグル検索機能を新モデルに搭載する予定だ。運転しながら文章を入力することはできないが、あらかじめ設定しておいた語句をワンクリックで選ぶことができる。

 エレクトロニクスが大好きという消費者は多い。テレビ制作会社役員のジェイミー・ウォルターさん(38)は最近、2012年型のSYNCシステム付きフォード車を購入した。ウォルターさんは、「見た目が気に入っている。やや注意が散漫になるかもしれないが、すべて音声で操作できるため、運転中に電話に目をやることなしに仕事ができる」と述べた。

 自動車メーカーは、これらのシステムはハンズフリーなので安全――少なくとも、電話をかけるために携帯電話で電話番号を探したり、友人にメールを送るため携帯電話を握り親指を忙しく動かしながら運転するよりは安全だという。自動車メーカーは規制当局に対して、ハンドルに付いた操作ボタンやボイスコントロールを使えば安全性が高まると主張している。

 韓国・起亜自動車の北米部門マーケティング・ディレクター、マイケル・スプレイグ氏は、「ドライバーが携帯を使うことを止めさせることはできない。これからも電話しながら運転する人がいなくなることはない。自動車メーカーができることは、消費者が欲しているものを提供し、それをできる限り安全なものとすることしかない」と述べる。

 不注意運転防止運動を推進する団体フォーカスドリブンのエグゼクティブ・ディレクター、ロブ・レイノルズ氏は、安全性が高まったからといって、それは安全と同じではないと主張する。不注意運転の車にはねられて16歳の娘さんを亡くしたレイノルズ氏は「自動車メーカーは、不注意運転をできるだけ安全にしようという姿勢だ。たばこに大きなフィルターをかぶせて、喫煙者を長い時間をかけて殺すようなもの」と述べている。

 一方、自動車メーカーは、バージニア工科大学交通研究所による研究結果を含む様々な研究結果を引き合いに出す。そうした研究によれば、運転中に携帯電話を使用すると衝突または衝突寸前のリスクが通常の運転に比べて1.3倍に増えるが、携帯の番号をダイヤルする場合は、それが2.8倍に高まる。携帯メールを打っている場合は、衝突または衝突寸前のリスクは20倍以上に跳ね上がる。

 こうしたデータは毎日運転する人たちの車にカメラを取り付けて何百時間も観察した結果を集計したもので、自動車メーカーや政府は、「ハンズフリー」ならば安全との結論に達した。だがユタ大学の研究者、マイケル・ストライヤー氏の研究を含むその他の研究によると、運転中の通話は、ハンズフリーかどうかに関係なく危険だという結果が出ている。新型車の大半ではタッチスクリーンを使って通話できるようになっている。

 いくつかの自動車メーカーのロビイストらは当局の態度の変化を指摘、もはや技術に制約が課されるとは考えていない。レイ・ラフード運輸長官は最近になって、今年の「不注意運転サミット」は開催しないことを決定した。そして、ダッシュボードに携帯電話機能を統合することに関して自動車メーカーを制約しないことを示唆した。

 ラフード長官は昨年12月に国家運輸安全委員会(NTSB)が運転中の携帯電話使用を全面的に禁止する提案を出した際、ハンズフリーの通話は「米国では大きな問題ではない」と述べた。また、米運輸省高速道路安全局(NHTSA)は現在、新たな技術が注意を散漫にするかを調査中であり、年後半に結果を発表する予定だ。ラフード長官は「その調査結果が出れば、こうした新技術が不注意運転につながるかどうかがもっと明らかになる」としている。

政府によれば、NHTSAの研究は、ハンズフリー装置、半ハンズフリー装置、そして手に持って使う携帯電話を比べ、それぞれのリスクと注意力への影響を調べるものだという。

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