2012年2月29日水曜日

株価回復は本物? 円高修正・米景気回復・緩和マネーの3つの追い風

投資会社が操作しすぎだよなあ。実体経済に即してない気がするよ・・・


 米国株高に引っ張られる形で日本の株価も上昇軌道を描いている。市場には、(1)歴史的な円高の修正(2)米国景気の回復(3)金融緩和マネーの流入-という3つの追い風が吹き、1万円の大台回復は時間の問題との声が飛び交う。一方で、(1)欧州危機の再燃(2)新興国経済の減速(3)原油価格の高騰-という3つのリスク材料もある。株価回復は本物なのか。市場では期待と不安が交錯している。

 株価上昇の一番の要因が円高の修正だ。ギリシャへの2次支援が決まるなど欧州債務危機が解決に向かっているとの期待から投資家のリスク回避志向が和らぎ、避難先となっていた円を売って、ドルやユーロを買い戻されている。

 円ドル相場は1ドル=80円を超える円安水準で推移。昨年の75円台に突入する超円高を受け、トヨタ自動車は今年度の想定レートを78円に修正したが、現在の水準は大半の輸出企業の想定よりも円安水準だ。収益改善の効果は大きく、南武志・農林中金総合研究所主任研究員は、「業績の上方修正期待が強まっている」と指摘する。

 さらに、米国経済は今秋の大統領選に向け、さらに回復テンポが速まるとの見方が多く、輸出増大が来年度の業績を押し上げると期待されている。村上尚己・マネックス証券チーフエコノミストは、企業の平成24年3月期決算と25年3月期予想が発表される4~5月ごろに、「業績の回復期待が確信に変わる可能性がある」とし、一段の株高を見込む。

 日米の中央銀行はそろって、市場に金融緩和の長期化を約束。潤沢な資金供給で拡張した投資資金が、市場に流れ込んでいる。今回の日本の株高も、2月14日の日銀の追加金融緩和がきっかけとなっており、前日の同13日からの日経平均株価の上昇幅は724円に達している。

 ただ、29日の東京株式市場で、取引終了にかけて上昇が失速したように、市場には不安も根強い。

 最大のリスクが欧州危機の行方だ。ギリシャでは2次支援の条件である緊縮財政への不満が高まっており、4月に予定されている総選挙で緊縮反対派が政権を握り、約束がほごにされる懸念が消えない。

 財政再建が頓挫し、ギリシャ国債のデフォルト(債務不履行)危機が再燃すれば、信用不安で欧州の実体経済が一段と悪化。欧州への輸出が多い中国など新興国経済の減速も強まる。リスク回避で再び円高圧力が高まる恐れがある。

 イランの核開発問題による中東緊迫化で上昇が続く「原油高への警戒も必要」(河合達憲・カブドットコム証券チーフストラテジスト)だ。先にメキシコで開かれた20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議(G20)でも、原油高は「世界経済の新たなリスク」との認識が示された。

 ホルムズ海峡閉鎖という事態に発展すれば、原油の暴騰は避けられない。日米の株価は、これまで急上昇してきただけに、その反動で急落しかねない。

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