2012年2月7日火曜日

為替介入効果なし、含み損40兆円…円高メリット活用への政策転換急務

油田を買うなり、資源を買いあさるなり、やれることやってから介入すりゃいいんじゃね?って、素人考えか・・・


 政府・日銀が昨年10月31日に8兆円超の過去最大の円売りドル買い介入に踏み切った直後、円相場は一時的に1ドル=79円台まで円安に戻ったが、現在は76円台で推移しており、その効果はほとんどなくなっている。これまで繰り返してきたドル買い介入で膨らんだ外貨準備は、その後の円高の進行で発生した含み損は今年度末に約40兆円にも達する見込み。対症療法的な介入の限界は明白だ。為替に翻弄される日本経済の構造転換を促す上でも、海外投資の促進といった円高メリットを活用した政策の必要性が高まっている。

 「投機筋が市場をゆがめることがあれば、国益を守るためにいかなる措置も取る」。安住淳財務相は7日の閣議後会見で、円高是正のため、改めて介入も辞さない姿勢を表明した。

 政府・日銀は、円高が加速した平成22年9月15日に6年半ぶりとなる単独介入を実施。昨年3月18日に東日本大震災に伴う急激な円高を受け、先進7カ国(G7)との協調介入が行われた後、8月と10、11月に単独介入を続けた。だが、いずれも効果は長続きしなかった。

 市場では、米財務省が昨年12月に公表した外国為替報告書で日本の介入を「支持しなかった」と明記されたこともあり、「大規模介入のハードルが高くなっている」(SMBC日興証券の嶋津洋樹シニアマーケットエコノミスト)との見方が多い。しかも、欧州債務危機の深刻化で投資家のリスク回避が強まれば、消去法で安全と見なされた円が買われ、「再び75円台に突入し、最高値更新をうかがう展開になる」(大手銀ディーラー)との指摘が出ている。

 介入で外貨準備を管理する外国為替資金特別会計(外為特会)の資産は23年度末に約160兆円に上る見込みだが、含み損額はその4分の1にも達する。

 介入が効果を発揮しないなか、政府は、外貨準備を活用し日本企業の海外投資を促す基金を設立するなど、円高メリットを活用した政策も導入している。

 海外投資の促進をめぐっては、産業の空洞化を助長するとの指摘もある。ただ、日本の昨年の貿易収支は、円高などによる輸出の低迷で31年ぶりの赤字に転落した。モノやサービス、投資の収支も含めた経常収支の赤字転落を回避するには、海外でかせぎ、国内に資金を還流させる所得収支の黒字を増やすことが不可欠だ。

 海外で稼いだ資金を付加価値の高い製品の開発や新たな事業の育成に振り向ければ、空洞化も防げる。

 「日本が円高メリットを背景に海外で存在感を高めれば、逆に米国などから円高是正の声が出てくる」(民間エコノミスト)。介入に頼った政策からの転換は急務だ。

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