もともと経営が危なかったわけだし、ここに投資してた人も自己責任だよね。
8月9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していた(株)安愚楽牧場(TDB企業コード200798903、資本金3000万円、栃木県那須塩原市埼玉2-37、登記面=那須郡那須町高久丙1796、代表三ヶ尻久美子氏)は、11月8日に同地裁より再生手続き廃止決定を受けた。
当社は、1981年(昭和56年)12月に牧場経営を目的に設立。農業生産法人の資格も取得し、87年には東北支店並びに遠野牧場を開設した。仔牛の生産から成牛飼育まで一貫した生産肥育体制をとり、北海道から九州・沖縄まで国内各地に直営牧場40カ所、生産委託牧場338カ所を擁し、飼育頭数約15万頭と推定国内シェア15%を誇る最大クラスの黒毛和牛の生産牧場に成長した。個人オーナー向けに預託オーナー制度を展開し、オーナー数は約7万名に達し、和牛預託制度を採用する企業としては唯一の成功事例とされていた。2009年4月には有限会社から株式会社に改組するとともに、現商号に変更していた。2010年4月に宮崎県児湯郡で口蹄疫が確認され、その後、約1万5000頭の殺処分、埋却処理が行われたことで、2011年3月期は出荷高こそ前期比6.7%減となったものの、主力のオーナー契約売上高と食肉等の売上が増加したのに加え、殺処分に対する補償金88億2330万円が入ったこともあって、年売上高は約1027億2300万円を計上していた。
しかし、東日本大震災とそれに伴う原発事故以降は、放射性セシウムが検出されたことによる出荷制限や風評被害などからオーナー契約の継続が進まず、7月には一部の取引先に対して支払いの延期を要請するなど資金繰りが悪化。8月1日には、弁護士名で債権債務調査の通知書を発送していた。
当社が管理する合計約14万5900頭の和牛の存命のため民事再生法の適用を選択したが、畜産事業の牧場単位での売却、食品加工事業の事業譲渡のほか、ホテル事業の事業譲渡若しくは施設売却を柱とする実質的な清算型としていた。その後は、債権者5028名からの申し立てにより11月4日に管理命令を受け、管財人に渡邊顯弁護士(東京都港区虎ノ門4-3-1、電話03-5405-4080)が選任されていた。
2011年11月8日火曜日
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