介入があったとしても遅すぎだろ。しかも無意味すぎ。財務相は何のための介入だって本当に分かっているのだろうか。もはや自分の財布も管理できていないような気がしてならないのだが・・・。
[東京 30日 ロイター] 財務省は30日、2011年10月28日から11月28日までの外国為替平衡操作額(介入額)が9兆0916億円だったと発表した。
政府・日銀は10月31日に大規模なドル買い/円売り介入を実施。市場では、この時の介入額を過去最大の7─8兆円規模とする試算が出ていたが、発表数字はこれを上回った。市場参加者の間では、31日以降も介入実施の公表を伴わない「隠密介入」が続いていたとの見方がくすぶっており、思惑を呼びそうだ。
<隠密介入があった可能性>
政府・日銀の為替介入額は、日銀が営業日ごとに公表している資金需給や国債保有残高からある程度推計できる。為替介入の取引実効日は2営業日後のため、10月31日のドル買い/円売り介入は11月2日の数字に反映されるが、市場では短資会社の予想と発表数字とのズレなどから、10月31日の介入額は7─8兆円規模だったのではないか、との見方が出ていた。
これに対して、財務省が発表した介入額は9兆円を上回った。市場では「介入実績は10月31日の介入についての事前予想より1兆円程度上振れており、隠密介入が実施された可能性が高い。31日ほど大規模ではなかったにせよ、小振りな介入が何度かあったのではないか」(住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏)との見方があった。
市場では、日銀資金需給での財政等要因のブレや日銀の保有国債残高の推移から、11月第1週(1─4日)も介入があった、との見方が有力だった。東京短資の試算では11月第1週のうち、祝日を除く3日間の財政等要因が予想より累計6500億円上振れたほか、日銀の日々の国債保有残高の増加額も3日累計で約1兆0200億円増加(オペ購入分を除く)したためだ。
短資会社の資金需給予想と日銀が公表する実績とは1日で数千億円のズレが生じる出ることもあり、また日銀の国債保有残高も介入以外の変化要因があるため、これらの数字がすべて介入とは限らないが、市場では「11月第1週も1兆円弱の介入があったのではないか」(短資会社)との見方が広がっていた。
<隠密介入で疑心暗鬼に>
市場で隠密介入の可能性が指摘されるようになったのは、10月31日の介入以降のドル/円の下値が、一定期間、一定水準でサポートされたためだ。典型的なのが11月第1週を中心とした値動き。78.00円近辺で下値がサポートされ続けたことで、アナウンスのない隠密介入が実施されているのではないかとの見方が強まった。外資系金融機関を通じた相対での介入が実施されたとの観測も出るなど市場では疑心暗鬼が広がった。
隠密介入の可能性があるとみれば、マーケット参加者は下値に慎重にならざるをえない。政府・日銀にとっては願ったりかなったりだ。隠密介入観測は投資家の疑心暗鬼を生み、過度な動きをけん制する効果が期待できる。グローバル経済の減速懸念が深まるなか、大規模な為替介入は国際的に理解が得られにくい。小規模な隠密介入であれば、ドルの底堅さを水面下で演出できる。
<相場への影響は限定的か>
もっとも、市場関係者の中では、相場への影響は限られるとの見方が多い。シティバンク銀行チーフFXストラテジスト、高島修氏は「数字を見る限りにおいては、足元まで介入を持続的にしていたということではなさそうだ。そうであれば、マーケットへの影響は限られる」と指摘。他の外銀関係者も「結局はドルのトレンドの方が重要。ドル/円は11月に入ってからしばらく78円近辺で止まっていたが、あの時の動きは介入警戒感というよりは、ドルが強かったということが相当効いていた。それを証明するように、2週間くらい経ってリスクオンになったらドル/円はあっさり下がった。多少は介入警戒感につながるかもしれないが、影響は限界的だろう」との見方を示す。
住友信託銀行の瀬良氏は「今後も円高が進めば(財務相の発表を伴う)大規模介入と隠密介入を使い分ける可能性が出てくる。市場は疑心暗鬼をあおられそうだ」としながらも、「2月にはデイリーベースの介入のデータが発表される。ここで、隠密介入についても水準や規模などの手法が明らかになるため、財務相が市場の警戒感をコントロールできるのはそれまでだろう」との見通しを示した。
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