付加価値を付けて、使って役立つものだったらたくさん売れますよね。
矢野経済研究所が行った、国内の文具・事務用品市場調査によると、2010年度の国内文具・事務用品市場規模は、前年度比1.5%減の4805億円だった。景気回復が見込めないなか、法人向け需要の減少が影響したようだ。
一方で、2010年度の油性ボールペンの市場規模は、前年度比2.5%増の190億円、水性ボールペンの市場規模は、前年度比5.7%増の149億円と、共に拡大している。最近は、文具が個人のこだわりやおしゃれを表現するアイテムとして注目されており、市場が活気づいているようだ。
最近ヒットしたボールペンの1つが、トンボ鉛筆の加圧式油性ボールペン「エアプレス」(税込み630円)だ。ボールペンを使っていると、ペン先のボールの隙間から空気が入り込み、インクが残っているのに、書けなくなったりかすれてしまったりすることがある。そこで、ノックすることで芯の中のインクに圧力をかけ、インクを出やすくした。これにより、上向きで字を書いたり、湿った紙に書くことができるようになり、使い勝手が向上した。
若い女性の間で流行しているコロコロマッサージローラーをドッキングさせた、ユニークなボールペンもある。サカモトのリラクゼーションステーショナリー「リラステ ロールアップペン」(税込み609円)で、仕事や勉強の合間に顔や首筋、腕などをコロコロすれば、リラクゼーション効果があるだけでなく、美肌効果やマッサージ効果も得られるという。ローラー部分は取り外しが可能なため洗うことができ、いつでも清潔な状態を保てる。カラーはクリア3色、コスメ3色の6種類を用意。中高生から会社員まで、幅広い年齢層の女性から支持を得ている。
紙だけでなく、ガラス、プラスチック、金属などに書いても消えない画期的なボールペンもある。それがパイロット(PILOT)の「マルチボール」(税込み105円)だ。通常のボールペンは、ツルツルした面の上ではボールが滑ってしまうため、書くことができない。しかし、マルチボールに採用されている特殊なインク「Mインキ」は非常に粘り気があり、ガラスなどの硬い面でもボールが滑らないため書くことができる。細字と中字の2種類、色も7色用意されており、1本105円という手ごろな値段も人気の理由になっている。
一般消費者向けの文具は、法人向けの文具より高単価で販売できるため、ヒット商品が誕生すれば、メーカーに大きな利益を生み出す。アイデア商品が次々と登場する背景には、こうした事情もあるようだ。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿