2011年11月5日土曜日

<欧州危機>やまぬ円高圧力…週明け市場「神経質な動き」

介入の効果が薄れてしまう前に、再び介入を行う必要がありますね。


 欧州債務危機への懸念を背景に週明け以降の東京金融市場の株価や為替は神経質な値動きが続きそうだ。政府は先週、歴史的な円高を阻止するための為替介入に踏み切ったが、カンヌで開かれたG20首脳会議は介入に否定的な見解を表明。市場では「円高圧力は根強い」との見方が強い。

 先週の日経平均株価は、ギリシャ首相の国民投票構想を受け、8600円台まで下落する場面もあり、4日終値は8801円だった。円相場は先月31日に1ドル=75円32銭と戦後最高値を更新した直後、政府・日銀が大規模な円売り介入を実施し、4日のニューヨーク外国為替市場は78円台前半で取引を終えた。

 週明けの東京株式市場は、ギリシャの国民投票撤回や内閣信任を受け、波乱はひとまず回避されそうだ。だが、「不安定な相場が続く」(第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト)との見方が強い。IMFによるイタリア監視が決まったことで「イタリア財政がここまでひどいというマイナス効果を与える可能性もある」(クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミスト)。

 円相場も欧米経済への懸念から消去法的に円が買われる流れを変えるのは難しそうだ。G20で野田佳彦首相は円売り介入に理解を求めたが、首脳宣言は「市場によって決定される為替システムへの迅速な移行」をうたった。中国・人民元を念頭に置いたものとみられるが、市場では「円売り介入への視線が厳しくなった」という受け止め方が支配的だ。SMBC日興証券の嶋津洋樹シニアマーケットエコノミストは「円高圧力は依然強く、年内に戦後最高値を更新する可能性がある」とみている。

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