2011年7月8日金曜日

日経平均は反発、買い一巡後は利益確定売り

この流れが長く続くかな?

東京株式市場で日経平均は反発した。7日の米株高や外為市場での円高一服を受け、序盤から幅広い銘柄が物色された。アジアマネーや国内資金の流入が続いているほか、TOPIX先物買いも観測され、日経平均は前寄りで3月11日以来となる1万0200円台を回復した。

 ただ、今晩に6月米雇用統計の発表を控えているうえ、高値警戒感を背景に利益確定売りが強まり、大引けにかけては伸び悩んだ。

 東証1部騰落数は値上がり863銘柄に対し値下がり601銘柄、変わらずが208銘柄。東証1部の売買代金は1兆2604億円。

 7日の米国株式相場はナスダック総合が8営業日続伸となるなど強含んだ。雇用情勢や小売売上高に関する指標が堅調な内容となったことで、8日の雇用統計発表を控え景気の先行きに対する楽観的な見方が広がったという。米株高の流れを受け、序盤の東京市場も買いやすい地合いとなった。不動産や海運などが物色されたほか、為替の円高一服感を背景に自動車など輸出株も買われ、朝方の取引では幅広く買われた。

 外資系証券トレーダーによれば、アジアマネーや国内資金の流入が観測されているほかTOPIX先物買いの動きも指摘された。日経平均は前寄りで3月11日以来となる1万0200円台を回復。十字屋証券・資金運用グループチームリーダーの岡本征良氏は、米国株の上昇などを背景に強さが続いているとしたうえでおり、「内需系の好業績銘柄のほか、海外に販売活路を求める製造業も買われている」と述べた。

 ただ、朝方の買い一巡後は伸び悩む展開が大引けまで続いた。岡三証券・日本株グループ長の石黒英之氏は「25日移動平均線とのかい離率が5%超となり、短期的な過熱感が意識されるため買いづらい水準だ」と述べた。一方で「堅調地合いが続いており、売り方も慎重にならざるを得ない。目先は過熱感を解消するために日柄調整が必要だろうが、外部環境の落ち着きなどを背景とした上昇トレンドは続く」との見方を示した。

 また、大手証券の株式トレーダーは「高値警戒感もあり、利益確定売りが出やすくなっている」と指摘。後場は銀行株を中心に売りに押される展開となった。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>は一時マイナス圏に沈んだ。

 個別銘柄ではリョービ<5851.T>が後場一段高。8日午後に発表した2012年3月期業績予想の上方修正を好感した。想定よりも国内自動車メーカーの生産回復が早く、ダイカストの受注量が増加するとしている。また、ひらまつ<2764.T>が大幅高。同社は8日、7月31日現在の株主に対して、1対2の株式分割を実施すると発表したことから流動性の向上などを材料視した買いが入った。

 一方、大阪証券取引所は8日、7月限日経平均オプションの最終決済にかかわる日経平均のSQ(特別清算指数)が1万0225円82銭になったと発表した。寄り前にはSQ算出に絡む売買で買い越しが見込まれていたうえ、寄り付き直前に大口のインデックス買いが入ったことでSQ値が上振れし、「幻のSQ」になったという。今後はSQ値が需給の節目として意識される懸念があると指摘されている。

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