2012年10月22日月曜日

<貿易赤字>長引く恐れ 対中関係悪化が重荷

ここから、日本がどう回復するか?生産拠点を多く持つことが大事になるのかな?

 12年度上半期(4~9月)の貿易収支が3兆円を超える過去最大の赤字となり、中国経済の減速と日中関係の悪化が輸出の足を引っ張っている実態が浮き彫りになった。世界経済の減速や円高にさらに逆風が重なり、貿易赤字は長期化する公算が大きい。東日本大震災の復興特需という「内需」が息切れした後は「外需」に望みをつなぐ日本経済の回復シナリオはいっそう困難になっている。
 貿易赤字の最大の要因は、輸出に大ブレーキがかかったことだ。上半期の輸出は、4、5月は前年同月を上回ったが、6月以降は4カ月連続で減少した。9月は10.3%減とマイナス幅が拡大、東日本大震災でサプライチェーン(部品供給網)が寸断された11年5月以来の急激な落ち込みとなった。

 最大の貿易相手国である中国では日本製品の不買運動が広がり、9月の日本から中国への輸出は14.1%減少。中でも自動車が中心の輸送用機器は32.1%の大幅なマイナスだ。反日デモが先鋭化したのは同月中旬以降で、市場では「本格的な影響が出てくるのは10月から」との見方が強い。22日開かれた日銀支店長会議では、管内に自動車産業が集積する名古屋支店の櫛田誠希支店長が「海外への輸出は当初描いていた姿からは修正を余儀なくされた」と厳しい表情で指摘した。

 輸出全体が2.0%減の32兆1603億円と3期連続で減る一方、輸入は東日本大震災後の原発停止に伴い需要が伸びた火力発電用の液化天然ガス(LNG)が26.5%増と急増。石油などの価格も高止まりしており、輸入全体では2.6%増の35兆3793億円となった。

 欧州との関係で貿易赤字となったのも今回が初めてのことだ。円高を背景にドイツからの自動車輸入が増えた一方、債務危機の余波で日本からの輸出は伸びず、貿易収支は921億円の赤字だった。

 SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「欧州は内需が弱く、中国も反日による不買運動がどこまで拡大するか見通せない」と指摘。さらに「米国は来年にかけて大型減税の失効や歳出削減が重なる『財政の崖』の影響で企業の設備投資が弱い」点を挙げ、日本の貿易収支は今年度いっぱい赤字基調が続くとの見方を示した。

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