いろんな祭りがあるんだね。音はヘッドフォンによって違うから、こだわり派にはたまらんイベントだね
東京・中野のフジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「秋のヘッドフォン祭 2012」が27日に、スタジアムプレイス青山で開幕した。会期は10月27日、28日の2日間。ここでは、各社のDSD対応USB DACなどを中心に、8階~10階の展示をレポートする。
■ラトック
ラトックブースの目玉として用意されているのが、11月中旬発売のUSB DAC「RAL-DSDHA1」(72,000円)。リニアPCMの24bit/192kHzまでのハイレゾ音楽ファイルの再生に対応(5.6MHz非対応)するほか、DVDファイルのダイレクト再生に対応しているのが特徴。再生方式はDoP(DSD Audio over PCM Flames)方式をサポートしている。DACはDSD/PCMのどちらにも対応したWolfson製「WM8742」を使用している。
さらに、2個の独立した高精度水晶発振モジュール(22.5792MHz、24.576MHz)を内蔵。生成した低ジッタのクロックを直接DACに供給。音楽ファイルのサンプルレートに合わせて水晶発振モジュールを選択し、正確なタイミングでD/A変換する事で、高精度なアナログ変換を実現している。
また、ヘッドフォンアンプ部にもこだわり、電源を12V対応にして駆動力を向上。39mW×2ch(600Ω)の高出力タイプとなり、ハイインピーダンスなヘッドフォンも余裕を持ってドライブできるという。なお、会場では実際にDSDファイルを使った試聴が可能。
さらに、「オーディオ&ホームシアター展 TOKYO」(音展)でも参考展示された、エントリー向けのUSBヘッドフォンアンプ「REX-A1648HA1」も紹介。「REX-UHPA1」の後継となる16bit/44.1kHz対応モデルで、DACチップにPCM1704を採用。ボリュームノブがライン出力の調整にも利用できることなどが特徴。価格は10,920円の見込み。
■Nmode
1bitアンプでお馴染み、Nmodeのブースでは、このイベントで初披露となるDSD対応USB DAC「X-DU1」を参考展示している。12月末発売予定で、価格は89,800円程度。筐体サイズが1bitヘッドフォンアンプ「X-HA1」とほぼ同じで、組み合わせての使用も提案している。
USBでPCと接続し、独自のドライバをインストールして使用。動作確認中とのことだが、「PCMは32bit/384kHzまでおそらく対応可能」だという。DSDは2.8MHz/5.6MHz対応で、5.6MHzは受けるのみだという。DACは非公表。入力データをアップサンプリングして処理する事もでき、前面スイッチで処理のON/OFFが可能。光、同軸のデジタル入力に加え、バランスXLR、アンバランスRCAのアナログ出力も備えている。
■コルグ
コルグも11月中旬に発売する、DSDネイティブ対応のUSB DAC「DS-DAC-10」(オープンプライス/実売5万円前後/1,000台限定)を出展。
USB 2.0と、同軸デジタル出力、アナログ音声出力(RCA)と標準ヘッドフォン出力を各1系統搭載。ASIO/WDM/Core Audioドライバに対応し、PC用ソフト「AudioGate」とASIOドライバの利用で、DSDをネイティブ再生可能。専用ドライバにより、DSDフォーマットのままASIO経由で転送されたデータを本体でDA変換/出力できるのが特徴で、DSDからリニアPCMに変換して再生することも可能。AudioGateを使い、CDやMP3などをリアルタイムにDSD変換してDS-DAC-10に出力/再生できる事もアピールしている。
■ラックスマン
イベント前日の26日に発表され、会場でお披露目されたのがバランス対応のフラッグシップ・ヘッドフォンアンプ「P-700u」だ。12月発売予定で、価格は294,000円。
独自の高音質増幅帰還回路ODNF 3.0Aを、同規模・同一構成で4チャンネル分搭載。BTL接続によるバランス出力を可能としているのが特徴。アンバランス出力も可能で、その際は4チャンネル分用意された増幅回路を左右で2つづつ束ね、パラレル駆動することで出力電流の供給能力を倍に増強し、ドライブ力を高めている。
また、ヘッドフォンアンプとしては初めてソリッドステート方式の電子制御アッテネーター「LECUA」を搭載。左右のレベル偏差の極小化や、スムーズで音質劣化の少ない音量調節を可能にしたという。
会場では、サエクのゼンハイザー製ヘッドフォン向けの試作バランスケーブルで試聴が可能。このケーブルは11月末頃発売の予定(価格は未定)だという。
さらに、音楽之友社のオーディオ誌「Stereo」の2013年1月号(2012年12月19日発売/特別予価2,800円)に付録として同梱される、ラックスマンが手がけたヘッドフォンアンプ付きUSB DAC「LXU-OT2」も参考展示。音を聴く事もできる。
スペックとしては、出力62.5mW×2ch(16Ω)で、DACはTIのPCM2704を採用。USB入力は16bit/48kHzまで対応。USBバスパワーで動作する。バッファとヘッドフォンアンプとDACチップとは独立して搭載する事で高音質、かつカスタマイズを可能にし、DACチップに専用の外部電源回路を搭載。バッファとヘッドフォンアンプ用にUSBバスパワーからの昇圧回路も備えている。
■光城精工
「KM 01」という、金属筐体のポータブルヘッドフォンアンプを参考展示している。種類はアルミ製のものと、真鍮製の2バリエーションを用意。内部のアンプ回路は同じだが、筐体の素材が異なる事で、音も異なるという。
外形寸法は57×53×19mm(幅×奥行き×高さ)で共通だが、アルミ製は約128gであるのに対し、真鍮製は約325gと大幅に重い。実際に真鍮モデルを手に持ってみると、ズシリと重く、非常に高級感のあるヘッドフォンアンプになっている。
なお、会場では筐体にロゴを入れたものと、入れないものを用意。どちらが好まれるか、来場者の意見を聞いているという。また、ライターとそっくりの刻印を施したカスタマイズモデルも紹介。残念ながら、こうした特別な柄のモデルを発売する予定は現在のところ無いとのことだが、ユーザーが自分で刻印して楽しむ事も考えているとのこと。
電源部の電界コンデンサをデュアルドライブさせ、中低域の音像を明瞭化。前段に低電圧駆動オペアンプ、後段にはダイアモンドバッファ回路を備え、クリアで臨場感のある音像を実現したとしている。
仕様としては、アナログステレオミニの入力と、ステレオミニのヘッドフォン出力を各1系統備えたシンプルなもので、推奨インピーダンスは16~300Ω。周波数特性は10Hz~100kHz。定格出力は20mW×2ch(32Ω)。電源は単4電池×1本を仕様。連続動作時間は約14時間。
■NuForce
参考展示されているのは、12月に発売予定の、プリアンプ兼ヘッドフォンアンプの「HAP-100」。価格は10万円を切る予定で、シングルエンドのA級アンプとなっている。
同社のデジタルプリメイン「DDA-100」や、DACの「DAC-100」と同じシリーズの製品となっており、筐体サイズも同程度となっている。
「HAP-100」は、聴き疲れしにくい、理想的な5dBゲインを可能にするnon-NFB出力が可能。トロイダルトランスを使ったリニア電源部も内蔵し、入力切替には最高品質のリレーを投入したという。入力はアナログステレオRCA×4系統、出力もRCA×1を備え、プリアンプとして使うこともできる。フロントには、標準ジャックのヘッドフォン出力を1系統用意。リモコンも付属する。
■オルトフォン
同社初のポータブルヘッドフォンアンプ「MHd-Q7」を参考出展。既発売の据え置き型ヘッドフォンアンプ「Hd-Q7」のサウンドをベースとして開発されており、11月前半の発売を予定。価格は38,000円前後のみ込み。
シンプルなアンプになっており、フロントにアナログステレオの入出力を装備。背面のUSB端子からバッテリを充電する。
■ORB
ORBのブースでは、10月から発売を介した据え置き型ヘッドフォンアンプの新モデル「JADE casa」を展示。価格はオープンで、実売5万円前後。縦置きも可能なコンパクトな筐体ながら、Rコアトランスに、MUSESとバーブラウンのオペアンプを組み合わせ、前段回路にディスクリートの出力段、左右独立した電源回路も備えたデュアルモノアンプ構成となっている。
入力はRCAとステレオミニを各1系統、出力は標準プラグのヘッドフォンを1系統備えている。定格出力は180mW×2ch(32Ω)。
カラーはブラックとオーシャンブルーの2色だが、会場では天板に漆を使った蒔絵を施したバージョンを参考展示。ポータブルアンプでも蒔絵モデルが好評だったため、製品化を予定しているというもので、11月の発売を予定。現在のところ、55台限定、55,500円での販売を予定しており、「通常モデルとの価格差は5,000円程度だが、本来であれば2~3万円はかかる蒔絵を施している」という。
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