80円は、心理的壁になってるよね。相当材料がないと、ぶち抜けなさそう。
外国為替市場で、ドル/円が3カ月半ぶりに80円を回復した。しかし、23日の東京市場では市場参加者がこぞってドル買い/円売りに動く機運は盛り上がらず、代わりに80円台での値固めを阻む分厚い売り注文の壁が意識された。前のめりに日銀の追加緩和を織り込む市場。同時に30日の日銀会合前後で円高に振れるリスクへの警戒感もくすぶっている。
22日午後、ドル/円は200日移動平均線(22日時点で79.43円)をめぐる攻防の後に一段高となった。日銀の追加緩和観測が根強いところに、今週日米で相次ぐ重要指標の「先頭バッター」となった日本の9月貿易収支が9月としては1979年の統計開始以来、過去最大の赤字幅を記録。発表当初の反応こそ限られたが、欧州勢が参入し始めると同指標の結果が蒸し返されて円売りが強まった。
海外時間に入ると日銀の追加緩和をめぐる報道が続いたことで、市場の追加緩和期待がさらに高まり、ドル/円を押し上げた。23日朝方、ドル/円は80.02円まで上昇。7月6日の高値に並んだ。しかし、23日の東京市場ではドル/円が80円台に浮上したのはほんの一瞬で、その後は軟調に推移した。
「値幅2―3銭のところにドル/円の売りオーダーが1000本近く入っていた」──23日朝方、大手信託銀行の関係者は79.90―80.00円に集中する分厚い売り注文に驚いたという。80円回復で吸収されたが、その後も同水準に売り注文が並び、買い上がる機運は盛り上がらなかった。
ドル/円の上昇を阻む需給の壁はそれだけではない。大手邦銀の関係者によれば80.05―80.10円付近にはオプション関連の売り注文、さらに足元のドル/円の急上昇の過程で構築された買いポジションの手じまいも控えているという。加えて、毎月月末にかけては輸出企業の売りが増えやすいとされ、「80円突破には新規の材料が必要」(邦銀)との声が多い。
ドル/円は前週後半、78円台でのもみ合いを脱し、79円台に上昇。それから1週間も経たずに80円を回復した。しかし、この間の上昇過程は海外の短期筋を主体にしたものとみられ、「市場参加者が盛り上がって『わっしょい、わっしょい』とドル買い/円売りに動いている訳ではない。いろいろなファクターがうまく絡んで、間隙を縫って上がっきたに過ぎない」(大手邦銀)との声が出ている。
市場では、年末にかけてドル/円には一段の上値余地があるとの見方が増えつつある。だが、足元で続いた一本調子の上昇は一服しており、新規の材料に乏しければ、当面はもみ合いが続く可能性もある。
30日の日銀金融政策決定会合まで1週間。市場では前のめり気味に追加緩和の織り込みが続くが、同時に会合前後での円高への警戒も出てきている。別の大手邦銀の関係者は、日銀会合をにらみ「水準にもよるが、来週週明け29日から(ドル/円を)売り始める」と明かした。
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