2012年1月16日月曜日

KDDIが固定とセットでスマホ値下げ、「ギャラクシー」も投入

KDDIの反攻が始まりましたね。さて、他社はどうでるでしょう?


KDDI<9433.T>は16日、自社の光回線や提携CATV会社の固定通信サービスとセットで契約する利用者を対象に、3月からスマートフォン(多機能携帯電話=スマホ)の通信料を2年間、毎月1480円値下げする新料金体系「auスマートバリュー」を発表した。

現在、KDDIのスマホ向け定額データ通信料は毎月5460円で、3割近く安くなる。2年経過後も980円の割引とする。

「auひかり」などの光回線による家庭向けデータ通信サービス(FTTH)やKDDIが出資するCATV会社のジュピターテレコム、全国のCATV各社と連携し、固定と携帯を組み合わせて顧客の囲い込みと収益拡大を目指す。

NTT<9432.T>グループが固定回線と携帯回線の一体営業を法律で禁じられ、ソフトバンク<9984.T>が個人向け光回線の営業からほぼ撤退したのに対し、KDDIは固定と携帯を一体提供できる唯一の通信会社。FTTHやCATVなどの固定回線は、スマホの普及で急増しているデータ通信量(トラフィック)の受け皿(オフロード)という点でも期待されていることもあり、KDDIは固定、携帯の顧客基盤を相互に活かして取り込みを狙う。

田中孝司社長は会見で今回の料金割引サービスに関して、「単純な値下げではなく、FMC(固定と携帯の融合)にさらに価値を加えたビジネスモデルで、現時点ではKDDIが一番良いポジションに立っている。新たな価格競争は生まれないだろう」との見方を示した。1人当たり平均月額利用料(ARPU)への影響については「固定、携帯というARPU(の分け方)ではなく、FMCによる新たなARPUで考えたい」と語った。

また、毎月390円でアプリが取り放題になるなどの特典がある新サービス「auスマートパス」も3月から開始する。500本以上のスマホのアプリが取り放題になるほか、飲食店や小売店のクーポンやポイント、10ギガバイトの写真や動画のストレージが利用できるサービスだ。

<ギャラクシーなど春モデル5機種投入>

KDDIは、韓国サムスン電子<005930.KS>製の「ギャラクシー」や韓国LG電子<066570.KS>製の「オプティマス」などスマホ5機種を1月20日以降に発売することも同時に発表した。ギャラクシーとオプティマスはNTTドコモ<9437.T>が国内で実質的に独占販売していたが、KDDIも参入する。特に、ギャラクシーはグループの高速無線通信「WiMAX(ワイマックス)」に対応できるようにした。

KDDIは、ソフトバンクが国内で事実上、独占販売していた米アップル<AAPL.O>製のスマホ「iPhone(アイフォーン)」の販売を昨年10月に初めて開始。12月までの3カ月間では、通信会社を変更しても同じ電話番号が使える「番号持ち運び制度(MNP)」での転入超過数で連続首位となった。田中社長は「MNPが3カ月連続1位となり、昨年の目標だったauのモメンタム(勢い)を回復できた」と語り、今回ギャラクシーなどを加えることで「フルラインアップがそろったと思う。家族みんなでauに入ってもらいたい」と述べた。

新たに発売する5機種は「ギャラクシーSII」や「オプティマス」のほか、ソニー・エリクソンモバイルコミュニケーションズの「エクスペリア・アクロ」、モトローラ・モビリティー<MMI.N>の「モトローラRAZR」のグローバルモデルと、国内モデルの「INFOBAR」。

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