ポンド高がくるでしょうか?そんな単純じゃないか・・・?
イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は11日発表した四半期インフレ報告の中で、中期的なインフレ見通しを2%をやや下回る水準に引き上げた。2月時点の予想は1.6%だった。これを受け、年内に利上げが実施される可能性があるとの見方が強まった。
英中銀は、現在、短期金融市場が織り込んでいるよりもやや速いペースで市場金利が上昇し、2011年第4・四半期に0.8%、2012年初めに1.0%に達するとの想定に基づき、インフレ見通しを示した。
インフレ報告の発表を受けて年内利上げ観測が高まり、ポンドは一時対ドルで1.65ドル近くまで上昇。英国債は大幅下落した。市場はそれまで2012年初めの利上げを織り込んでいた。
短期金融市場は現在、11月までの利上げを約90%の確率で、9月までの利上げを50%以上の確率で織り込む水準となっている。
同中銀は、短期的なインフレ見通しは悪化しており、消費者物価指数(CPI)上昇率はエネルギーコストの上昇を背景に短期的に5%に達する見込みと指摘。
「インフレ率が今年5%に達する可能性は十分あり、どちらかといえば、2012年まで2%の目標を上回る水準にとどまる見通しだ」としている。
インフレが中期的に2%を上回る、もしくは下回る確率は、ほぼ均衡しているとした上で、確率が2%を上回る可能性を支持する方向にやや動いたことがチャートで示されていると指摘した。
報告書は一部の市場予想よりもタカ派な内容となったが、キング総裁は原油相場が報告書をまとめた時点から10%下落した点にも言及した。
キング総裁は記者会見で「政策金利はいずれ上昇する必要がある。無期限に現在の水準にとどまることはできない」と述べた。ただ英経済見通しをめぐり異例に高いリスクが存在するとして、利上げ時期に関しては言及できないとした。
INGのジェームズ・ナイトリー氏は、インフレ報告について「おそらく市場が年内利上げの可能性を低く見すぎていたことを示唆している」と指摘した。
英中銀は「金融政策委員会(MPC)メンバーのインフレ見通しに関する見解は、通常よりも幅広くなっている。現在の不透明な環境下では、判断のわずかな違いが、見通しに大きな影響を与える可能性がある」との認識を示した。
短期的な成長見通しは2月以降、悪化しているとし、国内総生産(GDP)統計は、経済の力強さを過小評価している可能性があるものの、第1・四半期の伸び率は中銀の予想を下回ったと指摘した。
また、ウィリアム英王子の結婚式のため4月に祝日が増えたことや、東日本大震災によるサプライチェーンへの影響なども、四半期ベースのGDP伸び率が通常よりも変動する要因となる見込みとした。
2年後の成長率見通しは2月の3.1%から、2.9%をやや下回る水準に下方修正した。
キング総裁は「銀行セクターおよび金融危機の余波に対する鈍く、長い調整が続いており、今後も困難な時期に直面する」との見方を示している。
2011年5月11日水曜日
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