2011年5月30日月曜日

節電の夏は値上げの夏…原発賠償に伴う大幅値上げ

原油が高いから、やむを得ないのでしょうか?円高なのに・・・

 全国の電力会社10社は30日、石油や天然ガスなどの燃料が高騰したとして、それぞれ7月の電気料金を標準家庭1世帯当たりで48~110円値上げすると発表した。7月は東京電力福島第1原発事故などの影響で電力不足が見込まれる。ただでさえ厳しい節電が迫られる企業や家計にとって値上げはダブルパンチとなる。今後は、原発事故の賠償資金捻出などのため料金体系の根本的な見直しも避けられず、電気料金へのしわ寄せはさらに拡大する。

 東電は前月比で110円の値上げとなる6584円となり、関西電力も54円の値上げだ。燃料価格変動を反映する燃料費調整制度に基づき自動的に割り出された値上げで、10社そろっての値上げは4カ月連続。いずれの値上げ幅も同制度が一部改訂された平成21年5月以降で最大となった。

 今回の値上げは、東日本大震災と原発事故の影響は一切反映されておらず、あくまでも北アフリカや中東の政情不安で原油などの国際相場が高値で推移していることを受けたものだ。7月の料金算定の基準となる2~4月の輸入平均価格が6月分(1~3月)と比べて、石油で6・9%、液化天然ガス(LNG)で4・4%、石炭で3・4%値上がりしたことによる。

 燃調制度は各社ごとに一定の計算式を設定。一方で各社が今後、原発事故の影響で火力を増強して燃料費が増えても、現行制度で定められた計算式の枠外になるため、そのままでは料金に転嫁することはできない。このため料金体系そのものの見直しを迫られることは確実な情勢だ。

 料金体系はコストに適正な利潤を上乗せして料金をはじき出す仕組みで、電力会社が認可申請し国が数カ月かけて審査する。このコスト部分に原発事故の賠償費用や火力増強に伴う燃料費負担増がそのまま上乗せされれば、電気料金は大幅に引き上げられる。

 料金体系の見直しによる値上げは、昭和56年10月の北海道電力を最後に行われていない。今のところ各社は経営努力を進めるため値上げは「考えていない」としているが、政府の賠償支援枠組みでは、電力各社が「事業コストから」負担金を拠出することになっており、値上げは避けられない状況となっている。

 大手都市ガス4社も30日、7月のガス料金を発表した。LNG価格の上昇を反映して、標準家庭1世帯当たりの料金は40~65円の値上げとなる。

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