2011年5月6日金曜日

<投資マネー>商品相場から円に 欧米の景気楽観論後退で

ここ何日か、流れが変わったみたいですね。気をつけましょう!

 グローバル市場でリスク選好を高めていた投資マネーの流れに変調の兆しが出てきた。金融当局が引き締めに慎重姿勢を示したことなどを材料に「欧米景気の先行きに対する過度の楽観論が後退」(アナリスト)。5日のニューヨーク市場では、歴史的な高騰を示していた原油や金などの商品先物相場が急落。リスク回避姿勢を強めた投資マネーが円に流れ込み、同日のロンドン市場では、円相場が一時、1ドル=79円57銭台まで急騰。東日本大震災後の急激な円高を受けて日米欧が円売りの協調介入に踏み切った3月18日以来、約1カ月半ぶりの円高水準を付けた。

 商品相場急落のきっかけになったのは、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁の5日の会見。ECBは同日の理事会で政策金利の現状維持を決めたが、総裁は市場の予想に反して、次回の6月の理事会での利上げを示唆しなかった。これを受けて、欧米金利差拡大への思惑が後退、外国為替市場でドルが対ユーロで上昇。ドル建てで取引される原油価格に割高感が広がった。

 さらに、米国で5日朝発表された直近の失業保険申請件数が予想外の大幅増となり、米景気の先行き懸念が台頭。欧米を中心に景気回復による需要増を当て込んで商品相場を高騰させてきた投資家の間に高値警戒感が急拡大。ニューヨーク市場では、原油先物の指標のWTI6月渡しが前日比10ドル近くも急落、1バレル=100ドルの大台を約1カ月半ぶりに割り込んだ。

 さらに、1オンス=1500ドルを超えて連日のように史上最高値を更新してきた金先物相場も高値警戒感が強まって急落。約半月ぶりに1オンス=1500ドルを割り込んだ。米メディアは「ソロスファンドが金や銀の持ち高の大部分を売却した」とも報道しており、市場では「商品バブル崩壊の前兆」との見方も出ている。

 このように欧米を中心に投資家の間でリスク回避姿勢が強まる中、低金利だが、相対的に安全とされる円に資金が集中。5日の欧米市場では、円相場は約1カ月半ぶりに1ドル=80円を割り込む水準まで高騰。6日の東京市場でも円買い圧力は強く、1ドル=80円台前半で取引された。

 市場関係者は「米経済への過剰な楽観論が見直されている」(SMBC日興証券の野地慎シニア債券為替ストラテジスト)と指摘。米国の雇用情勢次第では、一段の円高が進むとの見方も出ている

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