2011年5月8日日曜日

“振動”する膜で汚染水処理 東電に提案、テクノアルファ

日本の企業から、こういった技術提供があるっていうのは心強いですね!


産業用装置を扱う専門商社テクノアルファ(東京都品川区)は、小さな穴が無数にあいた膜を揺らしながら不純物を取り除く「振動膜式ろ過装置」を原子力分野に提案する。東日本大震災に伴う原子力発電所事故では、放射性物質を含む汚染水の処理装置が注目されており、同社も東京電力に採用を働きかけ始めた。納入実績を弾みに東電以外の電力会社にも提案、汚染水処理事業の拡大を狙う。

 納入をめざす振動膜式ろ過装置は、同装置を開発する米ニューロジック・リサーチ(カリフォルニア州)の製品。テクノアルファは、同社製品を日本に販売する代理店という立場で、国内の電力会社に売り込む。

 この装置は、「ナノメートル(ナノは10億分の1)レベル」という微細な穴をもつろ過膜と、その膜に1秒間に60回以上の振動を加えることが特徴だ。

 汚染水をろ過膜に通すことで、まず、放射性物質と塩分などの不純物がせきとめられ、通過した水は汚染が除去される。常に膜を振動させることでせきとめられた物質が膜にはりつかないようにし、膜の目詰まりを防ぐ。目詰まりが減れば、ろ過膜の寿命が長くなり、膜の交換を減らせる。

 さらに装置は、1辺が約2メートルという正方形のスペースがあれば設置できる。コンパクトでありながら1台で、1時間あたり約20トンの汚染水を処理できる。

 テクノアルファは、こうした処理能力が原発事故後の汚染水対策の1つとして有効と判断。電力会社を中心に原子力関連企業への提案を強化していく。

 すでに東電では、福島第1原発敷地内の汚染水処理のため、多数の穴が空いた鉱物に吸着させる技術を導入する計画だ。テクノアルファの松村勝正社長は「放射性物質の吸着技術を補助するバックアップ装置として提案する」と意気込む。

 福島第1原発敷地内の汚染水は、除染した水を原子炉に戻し炉心の冷却に再利用する計画を検討している。同社は、再利用可能な水にする工程での技術の活用を目指す。

 装置は米国原発で5基以上が試験的に採用されている。原発敷地内の廃水からコバルトやセシウムなどの放射性物質を90%以上除去しており、この実績もアピールする方針だ。

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