いかに長期的に、支援を行えるかが肝となりますね。増税もやむなし、ですかね・・・
東日本大震災では、地震や津波による直接的な被害にとどまらず、原発事故による放射能汚染、計画停電にともなう生産設備の停止や物流網の混乱など、日本経済全体にも大きな影響を与えた。今後の見通しに手がかりを得る意味で、1995年1月の阪神大震災後、企業に及んだ影響に目を向けてみたい。
帝国データバンクが8日に発表した「阪神大震災後の倒産状況に関する検証調査」によれば、阪神大震災で最も被害の大きかった兵庫県内の企業の倒産件数は、1995年は前年比26.7%減にとどまっており、全国の倒産件数が前年比8.0%増を記録したのとは対照的な結果となった。これは、手形の不渡り報告記載猶予、災害復旧貸付制度、返済猶予など、政府による緊急支援策が一定の功を奏して、兵庫県内の倒産多発が回避されたとみられる。
しかし、阪神大震災の翌年には、兵庫県内の企業の倒産件数は前年比13.2%の増加に転じており、全国の倒産件数が前年比3.6%減になったのとは逆の展開を見せた。また、震災発生から2年が経過した1997年にも、兵庫県内の企業の倒産件数は、全国平均を倍近く上回る前年比24.8%増に跳ね上がっている。復興需要が期待された建設業ですら、倒産件数が増加を続け、震災による打撃は長期に及んだことが判明している。さらに、阪神大震災関連倒産の過半数は、従業員数5人以下の零細企業であったことも報告されている。
今回の東日本大震災では、すでに関連倒産が複数見られる。コンサートの延期が以前からの集客低迷に追い打ちをかけてしまったイベント企画運営のビーアイシーを皮切りに、旅館・ホテル経営、百貨店経営、貨物自動車運送、自動車部品製造、木材卸、水産加工、菓子・惣菜製造、業務用食器・厨房機器販売、印刷物製造請負など、多彩な業種で東日本大震災関連倒産が相次いでいる。
内閣府が公表した試算データによれば、東日本大震災による直接的な被害額は、阪神大震災の約10兆円を大きく上回る最大で25兆円規模になると予測されている。企業倒産に与える影響も、阪神大震災以上に深刻になる危険性が高い。政府が打ち出す各種の支援策で、短期的には倒産を回避できても、過去の阪神大震災後の事例からすると、その支援効果は長期的には持続しないと考えておく必要がありそうだ。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿