低価格路線と、従来型。棲み分けできればいいんですけどねー。安くて早いほうにお客は行くのかな?
矢野経済研究所の調査によると、2010年度の理美容市場規模は、前年度をやや下回り、0.9%減の2兆2759億円であったことが明らかになった。このうち、理容市場は1.4%減の6,910億円だった。理容市場の市場が縮小している要因は、男性若年層の理容室離れや、経営者の高齢化に伴う施設数の減少、顧客の高齢化による来店サイクルの長期化などが挙げられている。また、カット料金が2000円未満のカット専門店の台頭も要因の1つであろう。
なかでも注目されているのが、1000円カット専門店の増加である。こうした低価格のカット専門店が店舗数を伸ばしている背景には、消費者の節約志向の高まりがある。さらに、店舗網の拡大を狙ってフランチャイズ化するチェーン店も増えている。
その1つが、キュービーネット株式会社が運営する、1000円カットの店「QBハウス」で、平成23年4月時点で、全国に465店舗を出店している。出店を加速させている背景には、「QBハウス」が導入している「ビジネスパートナー制度」がある。
この制度は、3年勤務すると直営店の経営を任される「ビジネスパートナー」と呼ばれる個人事業主になれるというもの。利益は本部と分け合う形になるものの、フランチャイズに比べ出店費用も少なく、リスクがほとんどない状態で経営者になることができる。そのため、オーナーを目標に働くスタッフが増え、安定的に優秀な人材を確保できるという。
また、株式会社将軍ジャパンが運営する、15分1000円のヘアカット専門店「クイックカットBB」も、積極的にフランチャイズ展開している。「クイックカットBB」は大型複合施設やスーパー、温浴施設といった集客施設の一角にある10坪程度の小さな店舗を活用し、出店コストを抑えることで参入の垣根を低くした。また、オーナーは携帯電話やPCで、モニタリングによるオペレーション管理や指導を可能にし、遠隔地にも出店できるようにした。
しかしここにきて、カット専門店に洗髪台の設置を義務付ける動きがみられるようになった。カット専門店では洗髪の代わりに吸引装置を使って刈り毛を頭部から除去するのが一般的だが、吸引処理では刈り毛を完全に除去できず、散髪後に立ち寄ったレストランや病院で刈った毛が飛散し、不衛生で感染の原因になる、というのがその理由だ。店側は「衛生面は特に気を使っており、苦情もない」と反発しているが、条例により規制される地域も現れている。規制の賛否はともあれ、消費者にとって不利にならないようしていただきたいものだ。
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