2012年9月9日日曜日

燃費ナンバー1は譲れない! 無駄を削って突き抜けた新型「ミラージュ」

頑張れ、三菱!逆輸入だけど、これからの日本メーカーは、こうしていくしかないだろうしなあ。

 三菱自動車が8月31日に、久々となる新型小型車「ミラージュ」を発売した。かつての看板車種の社名を復活させたこと、タイで生産する“逆輸入車”であることなどの話題もつきないが、なんといっても燃費性能がよく、その上価格も100万円を切る低価格からに設定されるなど、コストパフォーマンスの高さが大きなセールスポイントだ。開発者であるグローバルスモールプロジェクト推進本部事業統括部の岩田達規格・販売担当部長に仕上がり具合を聞いた。

 --ミラージュの特長は

 「とにかく軽量化を強く意識している。ミラージュは、タイで生産し、日本や欧州などの先進国も、そして東南アジアなどの新興国にも供給するグローバル展開するモデルだ。ただ、先進国と新興国ではユーザーニーズは大きく異なる。先進国では、燃費性能が求められ、新興国では低価格であることだ。この異なるニーズに1つのクルマで応えるには、軽量化が最もよいアプローチになった」

 --どのような工夫で軽量化したのか

 「まず、サイズ感を決めた。かつて販売していたミラージュはコンパクト車だけど、外観はゆったりとしていることが売り。新型では中身のサイズは変わっていないが、外観はシェイプアップした。その上で、仕様を大胆に絞り込むことで、さらに、無駄を削っていった」

 --仕様の絞り込みとは

 「通常、1ブランドで、複数のエンジン排気量、変速機にしてもマニュアル(手動変速機=MT)、オートマ(自動変速機=AT)、さらには4輪駆動モデルなど、仕様をいろいろ変えている。しかし、いろいろなバリエーションに対応できるようにすると、そのために、空間を広げておいたりする必要が出てくる。そうなると車体など自体が大きくなって、軽量化に逆行する」

 「そこでエンジンは国内については3気筒で排気量1000cc、変速機は副変速機付のCVT(無段変速機)に一本化した。サスペンションなどの足回りも1種類だ。これで基本構成を最適化し、同じ強度を持ちながら軽量化できるハイテン(高張力鋼板)を効果的に使った。既存のコンパクト車『コルト』に比べて150キロ軽くできた」

 --4輪駆動の設定も見送った

 「三菱ファンからの熱烈な4輪駆動ニーズはあるが、軽量化のための絞り込みで、設定はない。ただ、軽量化したことで、前輪駆動でも軽快感は強まっている。軽いことで運動モーメントがよくなって、曲がりやすい、止まりやすくと、基本性能が上がっている。そのため滑りやすい道でも対応しやすく、4輪駆動設定でなくても満足できると考えている」

 --結果的にはハイブリッド車(HV)を除けば、登録車(軽自動車を除く)で最高の燃費性能だ

 「(信号停止などでエンジンが自動停止する)アイドリングストップモデルは、JC08モードでガソリン1リットルあたり27・2キロだ。燃費がよいということは、コンパクト車は日常使用が中心の中で、お財布にも優しいことを意識して、こだわった。国内でのエコカー競争が激しくなっている中で、突き抜けるためにも、ガソリン車での燃費ナンバー1は譲れなかった」

 --100万円を割り込む価格帯からの設定だ

 「99万8000円から128万8000円というのは、他の競合コンパクト車よりも10万円程度安い。その上、軽自動車とも十分に競合できる。低燃費のため、エコカー減税制度で、自動車取得税、重量税は免税になり、製品ライフのコストでみれば、軽自動車に肉薄する。高速道路を走れば、軽自動車では音もうるさいが、ミラージュならそういったことはない。安全面でも軽よりもよいことを訴えられる。軽自動車に流れたかつての三菱ユーザーを、ミラージュで取り戻したい」

 --コンパクト車ユーザーでは女性も多い

 「ユーザーの半分を女性と考えており、そのためのカラーラインナップ8色だ。そのうち3つが新色で、新型車でこういった取り組みは少ない。『カシスパープルメタリック』という紫はミラージュでは、日本にしか設定していないし、あまり日本ではクルマでは見ない色だ。男性目線では『どうかな』という面もあったが、女性からは圧倒的な支持を得ている」

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