2012年9月24日月曜日

原油を人民元で決済? 一部報道で原油価格が大暴落する場面も


そんな噂が出るだけで、こんなに暴落するんだね。原油価格が下がるのは嬉しいことだけどさー。



 国際原油市場の先週の動向において、ニューヨーク原油先物、ブレント原油先物の価格はそれぞれ1バレル6.11ドル、5.24ドル下落した。とりわけブレント原油価格はわずか数分で大暴落する場面があった。一部のメディアは、原油先物が急落したのは、「中国が直接、人民元建て決済によって、原油の輸出入を始める」との報道が流れたことに関係すると推測した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

 一部メディアは、「9月7日から、ロシアは中国側の要求に応じて、原油を無制限で提供すし、中ロ間で行われる石油の取引はドルで決済しない」と報道した。また、同報道は「米国経済にとっての最大のライバルである中国とロシアがなんと、ついに手を組む作戦に出た」と称し、中ロは米国が世界経済を制覇する基盤としている「ドル決済」への挑戦に出たようだと伝えた。

 しかし、上述した情報に公的な証拠はなく、中国石油化工集団の関係者は「現在、当社の石油の輸出入はドルで決算されている」と表明。情報筋によると、中国の大部分の原油貿易は中国石油化工の傘下にある貿易会社の聯合石化およびもう1社の中央国有企業・珠海振戎によって取引されているという。

 「中ロ間の一部の原油貿易において、人民元建て決済が利用される可能性がまったくないとは限らない」と中国価値指数の崔新生首席アナリストは記者の取材で語った。

 崔氏は「まず政治的な面から見れば、中国とロシアは良好な関係を保っている。また、隣国であるため、両国間には往来があり、原油貿易は早くから両国の経済・貿易関係におけるもっとも重要な部分となっている。人民元の地域的な影響力から見ると、人民元はロシアの市場で一定の影響力を持っている。2012年初頭からは、人民元対ルーブルの取引もすでに展開されている」と指摘した。

 崔氏は「仮に外国メディアの報道が事実であるとしても、中ロ両国間の二国間貿易に限ってのことで、世界規模のエネルギー取引に影響が及ぶことではない」と述べ、「とりわけ、世界経済を支配している『ドルでの決済方式』を、米国が放棄したり緩めたりするわけがない」と強調した。

 崔氏によると、人民元で原油を決済算するためのもう1つ重要な条件は、人民元がドルの世界的地位に匹敵する、あるいはそれに近い影響力を持つ世界通貨になる必要がある。しかし、現在の状況から見て、人民元の取引通貨としての機能は相対的に不足している。

 また、米国が自らドルの覇権を放棄するわけがない。特に国際原油価格との繋がりによって、米国は膨大な利益を得ることができる。以上から、米国はドルの世界における覇権を放棄してライバルを歓迎し、自国の石油から得られる利益に損失を及ぼすようなことはするのは、ほぼ考えられないことだ。

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