もっとシンプルで、故障しにくい家電がいいよね。使いやすいのを頼むよ!
大手電器メーカーの「パナソニック」が発売するAndroidスマートフォンと連動した「スマート家電」シリーズについて、インターネットのユーザーから「どこがスマートなの?」と疑問の声が出ている。
外出先からの遠隔操作でエアコンのスイッチを入れたり、ごはんが炊けていたりするのであれば、これまで以上に便利な生活を送れそうなはずだが、まだ出はじめということもあり、実際にはそこまで便利ではないようなのだ。
■全然「スマート」じゃない
パナソニックの「スマート家電」は、エアコンやドラム式洗濯乾燥機、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、体組成バランス計や活動量計、手くび血圧計の8製品。すでに炊飯器と電子レンジは、2012年6月から発売している。
問題はこの中で、本当にスマホと連動したほうが便利に使える、高度なテクノロジーが必要な製品があるか、だ。
パナソニックによると、洗濯機や炊飯器、電子レンジでスマホは、主に「リモコン」として使われている。スマホの専用アプリでメニュー選択して製品にかざすことで、設定内容が転送される仕組みだ。
たとえば、2012年9月25日発売のドラム式洗濯乾燥機では、洗剤や柔軟剤の分量や洗濯の目的に合わせたコースの設定などをスマホに入力しておきながら、これを洗濯乾燥機に「タッチ」しなければならない。これでは遠隔操作にもならないし、全然「スマート」ではない。
同社としては、「クラウド上のデータを元に、適正な洗剤や柔軟剤の量を設定できる」のが「売り」らしいが、洗濯乾燥機に直に入力して設定したほうが早いし、「タッチする」というひと手間がいらなくなる。
「エコナビ」を搭載した冷蔵庫(10月20日発売予定)も、スマホを冷蔵庫に「タッチする」ことでエコ情報を確認できるのが特徴。リビングに居ながらにして、手元のスマホで確認できるわけではない。
本来はスマホとの連動が魅力のはずの製品なのに、それを生かしきれていないようだ。
■エアコンの遠隔操作へのニーズ、いまは30%
エアコン(10月19日発売予定)は外出先からスイッチのオン/オフを操作できるので、帰宅したら涼しい部屋が待っているということが可能で、これは便利そうだ。
ところが、外出先からの遠隔操作を可能にするには別売りのルータとアダプタが必要で、標準搭載していない。これについてパナソニックは、「遠隔操作が必要ない人もいるので…」と説明。同社の調べでは「(エアコンの)遠隔操作を使ってみたい」という人は約30%いたが、「製品としては成熟していないこともあります。これ(30%)が70、80%になっていけば(標準搭載の製品が)出せると思います」と話している。
一方、体組成バランス計や活動量計、手くび血圧計といった健康関連製品は、これまではパソコンとUSBメモリなどで接続して記録をつけていたことを考えると、ワンタッチでスマホからクラウドまでデータを展開できるので便利になる。
長期間にわたるデータの記録と分析が有効に使えるので、「スマート家電」としての効果が期待できる。
現段階ではまだ「バラつき」「物足りなさ」があるものの、さらに技術革新が進めば、外出先やリビングからスマホで家庭内のほとんどの家電製品をコントロールすることが可能になりつつあることは確かなようだ。
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