2012年9月13日木曜日

<リーマン・ショック4年>欧米、緩和策効果薄く

やれることはやってきたよね。日本は、そこまでやったか?まだできるんじゃないか?

 「100年に1度」とされる世界金融危機の引き金となった米大手証券リーマン・ブラザーズの破綻から15日で4年。世界経済はその後遺症に苦しみ今も回復軌道に乗り切れずにいる。巨額の政府債務や金融機関の信用不安に苦しむ欧米諸国の現状は「失われた10年」を過ごした日本と二重写し。米欧金融当局は度重なる金融緩和で景気刺激を図っているが効果は薄く、政策には手詰まり感が漂っている。


 ◇雇用、債務不安…中国減速

 「経済情勢は満足からほど遠いのは明らかだ」。ショックの震源地である米ウォール街の総本山、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は8月末の講演で、景気回復が思い通りに進まない米経済に強い不満を漏らした。

 中でも「改善は痛々しいほど遅い」とやり玉に挙げたのが雇用の現状だ。今年8月の失業率は8.1%。09年10月の10.0%からは持ち直したが、経済成長率が1.7%(4~6月)にとどまる水準では「今後も大幅な改善は見込めない」との見方が強い。

 欧州債務問題も出口が見えない。欧州系の金融機関には、米サブプライムローン関連債券での多額の損失に加え、ギリシャ、スペインなど財政悪化国の国債価格下落による信用不安も重なった。欧州各国はユーロ圏各国でつくる救済基金「欧州安定メカニズム(ESM)」の設立や、欧州中央銀行(ECB)による南欧国債買い入れなどの「危機封じ込め」を進めているが、市場からは「時間を買う措置にすぎない」(証券アナリスト)と見透かされ、自律的な回復の糸口すら見えない。

 欧州危機の余波は、世界経済を下支えしてきた中国にも波及し始めた。最大の輸出先である欧州向けの停滞で国内生産にもブレーキがかかり、今年4~6月期の実質経済成長率は約3年ぶりに8%の大台を割り込んだ。

 東日本大震災の復興需要で浮上した日本経済の先行きにも黄信号が点滅している。一時的な特需の効果が薄れる一方、中国などの外需の減速で生産や輸出にもブレーキがかかり始めているためだ。政府は今月の月例経済報告で景気判断を下方修正する見通しだ。

 日銀は現段階で「緩やかに持ち直しつつある」という経済の基調判断を変えていない。物価上昇率1%という事実上の「インフレ目標」を掲げ、14年度中の達成を見通しているが、市場では「シナリオの修正が求められる局面に入っている」との声もある。

 ◇超低金利、日本化進む

 リーマン・ショック後、各国に連鎖する金融緩和の動きに対しては、市場から「自国の通貨安を狙ったオリンピックゲームの状態」との評価が聞かれる。米欧金融当局は金利引き下げに続き、国債などを買い入れて市場に大量の資金を供給する「量的緩和」の導入にも踏み切ったが、大きな政策効果は見えておらず、90年代の日本をほうふつとさせる「日本化」現象が関係者の常とう句になっている。

 日銀の白川方明総裁は6日の講演で「大きなキーワードはバブル後の調整だ」と指摘し、現在の世界経済を「失われた10年」に苦しんだ日本の経験と重ね合わせた。

 日本はバブル崩壊後、不動産などの不良資産を抱えた企業が相次ぎ倒産。金融システムは混乱し日銀は99年2月、政策金利の誘導目標を0%程度にするゼロ金利政策に踏み切った。その後、焦げつく恐れのある株や社債などの買い取りなど、本来の金利操作と一線を画す「非伝統的な政策」にも踏み込んだ。

 米国、英国、欧州の現在の政策金利もすでに0%台まで低下。FRBやECBは、日本と同様の「量的緩和」も実施している。 第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストは「どの国も日本並みの超低金利となっており、金融政策でも『日本化』が進んでいる」と指摘している。

 ◇リーマン・ショック◇

 米金融大手のリーマン・ブラザーズが08年9月15日に破綻し、影響が世界中に波及した金融危機。リーマンの破綻は米国の住宅バブルの崩壊で低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)が焦げ付き、関連する債券を含めた巨額の不良債権を抱えたことが原因だった。米欧の金融機関に軒並み信用不安が広がり、日本など世界各国で株価が暴落。各国は金融機関に公的資金を投じて収拾を図ったが、日米欧で大幅なマイナス成長に見舞われ、歴史的な世界同時不況となった。

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