結局は、もっとドル安政策を進めそうですね・・・
米景気の空模様がにわかに曇ってきた。ガソリン高や住宅・雇用市場の停滞による消費の冷え込みに加え、東日本大震災による企業マインドの低下や政策の行き詰まりが重なり、市場には「二番底」懸念が広がっている。
「不要不急の遠出は控えているが、車に乗らないわけにはいかないし…」。ワシントン市内のガソリンスタンドで、給油を終えた男性(40)が困惑した表情を見せた。全米各地のスタンドで、ガソリン価格は今年に入って全米平均で約3割も上昇し、1ガロン=4ドルの大台に迫る。
車で買い物に行く食料品の価格も高止まりし、早くも、GDPの7割を占める個人消費に影響が表れ始めた。4月の消費支出は0・4%増と市場予想を下回る伸びにとどまり、小売り売上高は0・5%増と2カ月連続で伸び率が鈍化した。
米景気の「体温計」とされる住宅市場も、差し押さえ物件の流入で深刻な値崩れを招いている。米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の20都市圏住宅価格指数は金融危機の水準を下回り、S&Pは「全米の大半で住宅価格が二番底に陥った」と警告する。
5月の失業率が9・1%で2カ月連続悪化し、雇用の回復にもブレーキがかかる。資源価格の高騰や消費減速に加え、震災や全米で多発する竜巻による供給網の混乱は、投資や雇用で「企業を慎重にさせている」(エコノミスト)。
これに対し、今年度の財政赤字が過去最悪の1兆6千億ドル(約130兆円)に達する見込みの米政府にっとって、景気下支えの財政出動は難しい。原油高で潤う石油業界への減税打ち切りを表明したものの、「雇用が悪化し、米経済の競争力が低下する」と業界や野党共和党が反発。オバマ米大統領が進める米国産原油やクリーンエネルギー開発も、足元の原油高には間に合わない。
「米成長は想定より遅い」として、金融緩和の長期化に含みを残すバーナンキFRB議長には、「米国の投機マネーの流入がインフレを招いている」と新興国の反発も上がる。
八方塞がりともいえる米経済だが、その動向は復興の緒に就いた日本経済の先行きも左右するだけに、対岸の火事とはいかない。
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