2012年6月24日日曜日

トイレはすべて和式にして、足腰を鍛えろ 個人株主が野村HDに「超皮肉提案」

まぁ皮肉も仕方ないよね。しかし、皮肉にしてもそれらの一つ一つに明らかな説明はできるのであろうか。冗談に答えられないなんて冗談じゃないよ!


野村證券を傘下にもつ野村ホールディングス(HD)の個人株主が株主総会に向けて「おもしろすぎる」提案を突きつけ、話題になっている。

 野村HDの商号を「野菜ホールディングス」に変更しろ、に加え、トイレはすべて和式にして、足腰を鍛えろ、といった、皮肉混じりの「おちゃらけ」もあるが、「東京電力、および関西電力に対する融資、投資を禁ずる旨を定款に明記すること」と、「一石を投じる」内容も含まれている。注目の株主総会は2012年6月27日だ。

■代表取締役社長は「代表クリスタル役社長」と呼べ

 野村HDに100項目もの提案が、1人の個人株主から寄せられた。株主総会の招集通知にはこのうち、「株主総会に付議するための要件を満たすもののみ」、18議案を記した。

 これほどの項目が提案されたケースはめずらしいが、野村HDの取締役会は当然のように、すべての議案に対して「反対の意思」を明確にしている。

 議案をみると、商号を「野菜ホールディングス」に変更することのほか、たとえば国内の略称を「YHD(ワイエイチデイ)」と表記し、営業マンは初対面の人に自己紹介をする際には必ず「野菜、ヘルシー、ダイエツトと覚えてください」と前置きする旨を定款に定める(第3号議案)と提案している。

 提案理由を、その株主は「現在の称号は長すぎて、著しく業務効率を悪化させている」と指摘。さらに、「これから三菱東京UFJ銀行の支配下に入りでもしたら、野菜證券は『三菱UFJモルガンスタンレー野菜證券』となってしまうのではないかと考えると今から悩ましい」と懸念している。

 さらに、取締役の社内での呼称を「クリスタル役」とし、代表取締役社長は「代表クリスタル役社長」と呼ぶ旨(第13号議案)を求めたり、オフィス内の便器はすべて和式にし、足腰を鍛錬して、株価四桁を目指して日々ふんばる(第12号議案)よう、求めたりした。

 株主は「取締役会がその機能を十分に果たしていないのだから、呼称などいい加減なものでいい」と説明し、「貴社はいままさに破たん寸前である。今が『ふんばりどき』」と、檄を飛ばしているようでもある。

 欧州危機の影響があったとはいえ、野村HDは2012年3月期に業績不振に陥り、一時は三菱UFJフィナンシャル・グループの傘下入りもウワサされ、株価は1月4日には年初来安値の238円まで下落した。

 総額12億ドルの大リストラで決算では黒字を確保したものの、6月22日の終値も前日比3円高の287円に低迷したまま。株主への配当は前期の1株あたり8円から6円に減配した。

 それにもかかわらず、経営陣の1人あたり平均報酬額は約1億6000万円と、前年より約8割増えているだけに、経営陣への「批判」を、皮肉交じりにたっぷりと盛り込んだということらしい。

■提案は「ある意味、株主の本音ですよ」

 提案者とは別の個人投資家は、「18の議案はある意味、株主の本音ですよ。業績悪化で増資を余儀なくされて実施。結果的に一株あたり価値の希薄化を招きました。そのことも議案でふれていました。株価の下落で損したのも事実ですし、半分は嫌がらせでしょうが、株主は怒りたくもなりますよ」と話す。

 そして、「経営陣がどう説明するのか聞きたい」と思い、当初行くつもりがなかった株主総会へ、今回は出席するともいう。

 また別の個人投資家は、「新手の総会屋みたいなもの。反原発派が喜びそうな問題提起も含まれていて(第11号議案)、まともではない」と指摘。かつての総会屋事件を思い出したと話している。

 加えて、野村證券が2010年の東京電力債など3件の公募増資情報をめぐるインサイダー取引事件で、証券取引等監視委員会による特別検査が今なお続いている。

 嫌がらせなのかどうかは別として、6月27日の野村HDの株主総会が平穏に終わることはなさそうだ。

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