2012年4月24日火曜日

<長期金利>1年半ぶり低水準

今のこの世界経済の環境では、日本国債に資金が集まるのは仕方ないのかな?高齢化・放射能汚染・製造業の空洞化と色々不安要素はあるんだけど・・・




 長期金利が低下している。指標となる新規発行の10年物国債の利回りは24日、前日に続き、一時、0.91%まで下落(国債価格は上昇)。10年10月以来、1年半ぶりの低い水準となった。景気の先行き不透明感に加え、「日銀が追加の金融緩和に踏み切り、金利が下がるのでは」との思惑を背景に4月以降、投資家の間で国債を買う動きが加速しているためだ。

 市場関係者が注目するのは、27日の日銀の金融政策決定会合。日銀は今年2月、デフレ脱却に向け、「消費者物価の前年比上昇率1%」を目指す事実上の「インフレ目標」を導入した。

 しかし、日銀が27日に発表する12、13年度の物価上昇率の見通しはいずれも1%に届きそうにない。市場関係者は、次の決定会合で追加の金融緩和が実施されるとの見方を強めており、国債などを買い入れる基金の枠(現在は総額65兆円)を5兆~10兆円拡大する案が有力視されている。

 国内の銀行勢はもともと、長引く不況で「集めた預金の運用先に困り、国債を買っている状態」(大手行幹部)だった。追加緩和への期待が広がる中での金利低下について、SMBC日興証券の野地慎シニア債券為替ストラテジストは「日銀の国債買い入れを見越し、一層の買いに動いているのでは」と指摘する。

 欧州金融危機をはじめとした世界経済の先行きへの懸念も、国債の売れ行きに影響している。

 たくさんもうけの出る可能性のある一方、元本割れの危険をはらむ株式と違い、国債などの債券は、発行元の国や企業が破綻しない限り、満期日には元本が返ってくる。大手金融機関の為替担当者は「欧州金融危機の不安が一掃されていないことで、どうしても、安全性の高い国債を買ってしまう」と話す。

 関西電力の大飯原発3、4号機の再稼働問題や消費税法案の審議の行方が見通せていないことから、「この夏の電力不足や財政再建の行方が分からない中、投資家心理が『とりあえず安全を選ぼう』となっている」と見る市場関係者もいる。

 ◇長期金利◇

 元本を返すまでの期間が1年以上の債券や金融商品などの金利を指すことが多い。残りの期間や商品によってばらばらなので、新規発行の10年満期の国債に流通市場がつけた利回りを指標にしている。この指標に基づき銀行は、融資の金利を決めている。長期金利が下がると銀行融資の金利も下がるので、企業や個人はお金を借りやすくなる。そのため、工場、機械、店などへの設備投資や雇用、住宅購入の拡大といった、景気の押し上げにつながる動きが活発になるとされる。

 逆に、長期金利が上がると、銀行融資の金利も上がってしまい、企業や個人はお金を借りにくくなる。一方、元本を返すまでの期間が1年未満の債券の金利は短期金利と呼ばれる。

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