2012年4月8日日曜日

観光立国ニッポン、目指すは5年で約5兆円増 国内外の観光客数うなぎ登りの「宮島」に習え

原発事故のあった国で、果たしてどこまで集客が見込めるか?絵に描いた餅だなあ。




 政府は3月30日、「観光立国推進基本計画」を閣議決定した。同計画は、観光の裾野拡大と質の向上を柱に、国内の旅行消費額を今後5年間で平成21年度実績の25.5兆円を、30兆円に引き上げることを目指す。

 具体的な方策としては、訪日外国人旅行者や日本人の国内旅行における宿泊数のアップ、国際会議の開催などを挙げている。外国人旅行者数は、昨年推計662万人を1800万人へ、日本人の国内旅行は、平成22年度実績の2.12泊を2.5泊の実現を目指すという。

 これらの計画の参考として、日本人、外国人とも年々観光客数を増やしている場所がある。広島県西部の廿日市市(はつかいちし)の「安芸の宮島」だ。

 日本三景のひとつでもある宮島は、海外でも良く知られている。1996年に厳島神社と後方にそびえる弥山が、ユネスコの世界遺産に登録された。加えて2007年にはガイドブックとして名高いミシュラン掲載という追い風も吹いた。

 さらに2009年、日仏観光交流年のPRポスターが縁で、厳島神社同様海に浮かぶ歴史的建造物、フランスのモン・サン=ミッシェルとの観光友好都市提携を結んだ。このような海外へのアピールが功を奏し、外国人旅行者の間で人気はうなぎ登りとなった。

 また、世界最大級の旅行クチコミウェブサイト「トリップアドバイザー」の日本法人が発表した「外国人に人気の日本の観光スポット」トップ20では、約1万あった日本の観光スポット評価の中で、宮島(厳島神社)が1位に選ばれた。

 一方、日本人観光客へのアプローチも積極的だ。たとえば厳島神社以外の新たなる観光名所の開発で、滞在期間延長をはかろうというのもその1つ。昨年は、宮島水族館「みやじマリン」をリニューアル・オープンさせた。

 また今年は、霊峰弥山(535メートル)と周辺地域をパワースポット登山エリアとしてアピールする。2月、3月には1人1,980円のガイド付きツアーも実験的に実施された。

 さらに集客には不可欠な要素、味の開発にも余念がない。現在、具は広島牛と宮島特産のアナゴを具にした蒸まん「牛まん、穴子まん(1個各400円/宮島○錦本舗ED)」や、餅米・うるち米に名産のカキをのせたりアナゴを包み炭火で焼き上げた「べったらぼったら(1個各300円/和奏)」などが評判だ。

 2011年度に東日本大震災の影響で外国人観光客の数は減少したものの、その分日本人観光客が補完し、宮島を訪れた観光客は年間初の350万人を突破した。宮島の観光客増加の試みは確実に成果を上げているといえる。

 日本全体が観光立国を目指すには、まずは各地域が宮島のような地道なアプローチを続けることが、重要なのかもしれない。

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