2012年4月12日木曜日

コンビニ大手は営業最高益更新予想、中食・外食市場も取り込み

すごいですな。確かに、CMとか見てても勢いあるなーって思うよね。


コンビニエンスストア大手3社の2013年2月期は、そろって営業最高益更新を見込む。東日本大震災後に顕著になった日用品への需要や単身世帯向け商品の品揃えなど、コンビニの消費者ニーズへの対応力の高さが好業績につながっている。

たばこの寄与が減少することで、既存店売上高は前期よりもプラス幅が縮小するものの、利益率の悪いたばこの構成比が低下することで、粗利益率は改善に働く。

プライベートブランド(PB)の積極投入や中食の充実などで、高齢者や女性層にも顧客層を拡大しているコンビニだが、各社の新規出店加速で競争が激化することは間違いない状況。大手小売りも都市型・小型店舗の出店を増やしており、各社の差別化戦略が今後の注目材料となりそうだ。

<既存店売上高は揃って1%増>

大手3社はそろって、13年2月期の既存店売上高を前年比1.0%増とした。前期は、たばこ値上げの寄与や震災による特需があったため、4.4―6.7%と高い伸びとなったが、今期はその要因がなくなるため、伸び率こそ低下するものの、プラスは確保する見通し。

業界最大手のセブン―イレブン・ジャパン(SEJ)の12年2月期は、積極的な出店とともに、不採算での閉店が少なかったことが目立った。同社では、店舗間の距離や市場の厚さなどで適正な出店のノウハウを積み上げてきた結果、と自信を示す。

13年2月期は、営業利益1950億円(前年比6.5%増)を計画。09年2月期の数字を超えて過去最高益となった前期に続き、2期連続で最高益を更新する。コンビニ事業は、セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>グループの業績をけん引している。13年2月期のグループ全体の増益計画229億円の半分以上となる118億円を国内コンビニで稼ぎ出し、全営業利益に占める割合も約62%となる。

ローソン<2651.T>は、13年2月期の連結営業利益を前年比6.8%増の660億円と見込む。同社の特徴とも言える「ローソンストア100」・「生鮮強化型ローソン」などの生鮮コンビニを強化し、差別化を図る。生鮮コンビニは、12年2月末の5085店舗を13年2月末には6220店舗へと拡大させる。また、カード会員のデータを活用し、顧客のニーズの取り込みも強化する。

ファミリーマート<8028.T>は、同5.7%増の450億円を計画する。「冷凍中食」を関東の3700店に拡大するなど、中高年層や主婦層への対応を強化する。

<大手3社だけでも1800店純増へ>

こうした業績を支えるのは、客層の拡大とそれに伴う新規出店の加速だ。

一時、コンビニは4万店で飽和との指摘も聞かれたが、2月末時点で4万4700店舗に達した。しかし、セブン&アイHDの村田紀敏社長は「変化はチャンス」とし「新たな変化の中でマーケットを掘り起こすことで市場は拡大してくる」と言い切る。

ローソンの新浪剛史社長も「品揃えを大きく変えたことがコンビニ好調の要因」と分析。震災やガソリン高が拍車をかけ「歩いて行くショッピングが重要になった。歩いて行けるコンビニに、今まではないと思っていた総菜や調味料などがあり、スーパーに行かなくても買い物ができることに気付いた」と、新規顧客増について述べている。首都圏を中心に増加する単身世帯や少人数家族向けの品揃えを意識したことで、こうしたニーズを取り込むことに成功した。

13年2月期についても、セブン&アイHDは新規出店1350店舗で純増は750店、ローソンは新規出店900店舗で純増550店舗、ファミリーMは新規出店800店舗で純増500店舗と積極的な出店を継続する計画。3社だけ合わせても、1800店舗の増加となる。

コンビニ各社が、さらに店舗拡大余地があると考えるのは、スーパーや外食から顧客を奪うことができるとみているためだ。セブン&アイHDは8兆円のコンビニ市場で約35%のシェアを有するが、中食や外食の市場を含めると、市場は70兆円あるとみており、まだまだ開拓の余地があるとみる。イオン<8267.T>の岡田元也社長もコンビニの新規顧客開拓などのチャレンジを評価したうえで「スーパーマーケットが居眠りをしている。最もイノベーションが起きていない。食品スーパーは相当苦しい状況」とみている。

駅中や病院など、あらたな出店エリアの争奪戦のほか、イオンが「まいばすけっと」の出店を加速させるなど、大手流通も小型店舗の出店を積極化させている。物流や商品開発でグループ力を発揮できるだけに、業際を超えたところでの競争も激しくなりそうだ。

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