この4年間、iPhoneばかりに注力してたのを、練り直さないといけなくなりましたからね。今後、回線強化にどれだけコストをかけるでしょうか?
ソフトバンクモバイルが東京都内で29日に開いた次の冬春商戦向けのスマートフォンと携帯電話の新製品発表会で、孫正義社長の質疑と、会見後の囲み取材の一問一答は次の通り。
◇会見での質疑
◇SIMフリー端末の需要はなかった
Q:ソフトバンクのスマートフォンの販売の主力はiPhone(アイフォーン)だと言っていたが、今回はアンドロイドが充実している。今後のすみ分けは。
孫:アイフォーンは依然として、もっとも優れたスマートフォンであることは間違いない。これからもアイフォーンの革新性は続いていく。一方、アンドロイドも、世界中で多数のメーカーがしのぎを削っている。若い女性向けとか、おサイフケータイなどの日本固有の機能など、多くのユーザーにマッチできる、(日本市場に)完全に溶け込んだスマートフォンを出した。
Q:アイフォーンが絶対的な主力である状況は変わっていくのか。
孫:アイフォーンは(ソフトバンクの)最重要機種で、合わせてさまざまなニーズを取り込める品ぞろえをする。次世代のスマートフォン向けに、業界最速の大容量の4G(ウィルコムが開発した広帯域移動無線通信技術XGPを進化させたAXGP)ネットワークを用意し、これらのスマートフォンのニーズを取り込めるようにする。
Q:「アンドロイドの次期プラットフォームに対応する」とうたった端末があるが。
孫:アンドロイドの次期OSに対応する。グーグルが次世代のアンドロイドについて正式に発表していないので、この場では発表をひかえる。発売時で最新のバージョンに対応するということだ。
Q:テザリング対応については。
孫;検討中です。
Q:4Gの料金体系は。
孫:価格については、まだ正式にコメントできない。少なくとも競合他社と競合できるものにしたい。
Q:KDDIがアイフォーンを発売すると言われているが、ソフトバンクにあたえる影響は。
孫:他社さんに関係することについてはノーコメント
Q:4Gは、2.5ギガヘルツ帯のネットワークだが、900メガヘルツ帯の周波数ははなくてもいいのか。
孫:900メガヘルツは、建物内や山奥など、電波が届きにくいところに、少しでも電波を浸透させるために有効で、われわれとしては積極的に活用したい。ただ、許認可を申請しているので、待たざるをえない。これ(900メガヘルツ)はこれで大変重要なもの。4Gは高速、大容量が目的です。
Q:(ソフトバンクの)社内体制がアイフォーン、アイパッドに注力している面があったと思うが、アンドロイド端末をどのように売っていくか。
孫:販売にとっては、必ずしもアンドロイドを積極的に売っていなかった。営業戦略もあったが、われわれの目でみて、アンドロイドの技術が十分にこなれていないと感じていた。ここにきて、やっとアンドロイドもバージョンアップを重ねて、日本市場に合わせた赤外線とか、おサイフケータイなどがそろってきたので、そちらもあわせて取り組みます。
Q:「みまもりホームセキュリティ」のターゲットは。
孫:基本的には、独身の若い女性。夜、帰宅した時に、侵入者がいないか心配な人たち。また、小さい子供、お年寄りのいる家庭で、セキュリティーのことで悩んでいる方が、気軽に安く使える。ソフトバンクは、通信機能を搭載したフォトフレームを他社に先駆けて発売した。新しい需要を喚起するような提案をこれまでもしてきたし、これからもしていきたい。
Q:今日発表した以外の新機種として期待されるアイフォーンが、来週にも発表されるが、期待感を。アップルのマルチキャリア戦略で、これまで国内ではソフトバンクの1社提供が、変わる可能性があるが、その影響は。
孫:ノーコメント。はい次。
Q:SIMロックフリー端末は。
孫:今回は入っていません。SIMフリーの端末は出していますが、ほとんど需要がなかった。総務省の大変大きなご指導で、SIMフリーの議論がいっぱいありましたけど、現状では、需要がほとんどなかった。われわれだけでなく、NTTドコモでもそうだと思います。
Q:4Gを11月に開始して、2月までのサービスは。また、MVNO(仮想移動体通信事業者)は。
孫:11月はテスト的なサービスイン。2月にルーターが出てからが本格的なサービスインになる。MVNOはまだ検討しています。
Q:ARPU(アープ、加入者1人あたりの月間売上高)が低い機器が売れて、純増の比率ではかなりを占めている。これから、アープが高い端末の構成が増えるか。値づけの考え方は。
孫:スマートフォンの比率が増えるとアープは増える。その部分のユーザーが増えている。ホームセキュリティーなどはプラスアルファの部分。全部を足して、わが社のアープは底堅く推移している。1人2、3台の(端末を持つ)時代がこれから着実にやってくる。アープも大事ですが、回線数をまだ伸ばせるのではないか。
Q:4Gは、TD-LTE(次世代の通信規格で海外で導入が進む)のサービスか。
孫:実質的にはそんなに技術は変わらない。XGP(ウィルコムが開発した広帯域移動無線通信技術)を進化させていく時に、TD-LTEと互換できるように進化させた。
Q:従来型の携帯電話は減っていくのか。
孫:われわれソフトバンクは、もっとも早くスマートフォンへのシフトを宣言した。3年近く前です。大きな時代の流れとして、われわれは戦略的にいち早くスマートフォンシフトをしてきた。だから品ぞろえがこれだけ幅広い。スマートフォンであればいいということではなく、さきほどの(若い女性向けの)「for Girl」、ディズニーモバイルのように、最先端のものをきめ細かく取り込んでいる。
従来型の携帯電話については、二つ折りスマートフォン、スライドのスマートフォンを出しているし、従来の「におい」を残したものはこれからも、スマートフォンの一部として出す。完全に従来型の携帯電話は、1、2機種の新製品は継続すると思うが、基本は完全にスマートフォンシフト。
Q:SIMロックの件、販売している1機種は一般的に人気の機種ではなかった。別端末でSIMロック解除をして様子をみるということは。
孫:ドコモもすでに何機種も出しているが、SIMロックを解除して、われわれからドコモにいったというのはほとんどない。だから需要はない。需要があればいくらでもやる。
Q:900メガヘルツが、ソフトバンクに割り当てられる合理性はどこにあるのか。
孫:われわれだけが(総務省が新たに割り当てる周波数帯プラチナバンドを)持っていない。これは、われわれには不満である。最初は電波がなかったが、新たに周波数があるということであれば、ソフトバンクに割り当てられるのが当然と考えます。
Q:イーモバイルも同様の主張をしている。さらにMVNOもすると言っているが。
孫:イーモバイルは、音声のユーザーはほとんどいない。ほぼデータのみで、今の周波数で、めいっぱいのユーザー数ではない。われわれが900メガヘルツを割り当てられれば、イーモバイルにMVNOをすることも考慮に値する。電波の有効利用ということでは、ソフトバンク(の通信回線)は今、混雑しており、山奥や屋内の電波の改善にも必須だ。
(基地局が16万を突破した話をしたが)KDDIはその3分の1、ドコモももっと少ない。それでも許認可を得てないからいいということにはならない。ソフトバンクの基地局数は多く、努力している。さらに努力するが、周波数も必要だ。
◇囲みの一問一答
◇4G搭載スマートフォン、来年中に
Q:KDDIがアイフォーンを発売するとの報道を聞いて、どんな気持ちだったか。
孫:ノーコメント。
Q:iPhone5の期待感について。
孫;大変期待しています。
Q:アップルのスティーブ・ジョブズ氏が一線から退くが、実感は。
孫:彼は本当に天才だと思う。彼の存在が人類の財産だと思う。一日もはやく健康が回復してくれるように祈っています。
Q:アマゾンが電子書籍リーダー、タブレット型端末を出したが、日本ではガラパゴスが撤退した。どのような端末が生き残るか。どのような差別化が必要か。
孫:(タブレット型端末は)まだ始まったばかり。基本はノートパソコン、ネットブックがどんどんパッドに置き換わってくる。さまざまなニーズにあったさまざまなもの(端末)が大量に出る。
Q:昨年、OS(基本ソフト)の作りこみはナンセンスだと言ったが、今回、作りこまれているのではないか。
孫:OSそのものをいじるのはナンセンス。(今回は)モジュール化して追加した。それはOSの進化をさまたげない。
Q:「ウルトラスピード」の人口カバー率とエリア展開の考え方は。
孫:今すでに80数パーセント。政令指定都市はほとんどカバーしている。さらにこれから広げていきたい。
Q:「ウルトラスピード」と4Gの補完関係は。
孫:中長期では4Gが重要な電波です。
Q:LTE(光ファイバー並みの高速通信が可能な次世代携帯通信技術)については。
孫;4G(AXGP=広帯域移動無線技術)も実質的にはLTEですが、FDD(上りと下りで別の周波数を使う方式)のLTEは、それはそれで真剣に取りくむ。
Q:今回の4GとLTEの両方に投資するのか。
孫;そうです。
Q:つながりにくい、穴があるWi-Fiスポットに対応していくのか。
孫:そうです。ワイファイの先駆者ですから。他社より先にいっている。
Q;調査もしているのか。
孫:はい。
Q:KDDIが固定網との連携を強化する。ソフトバンクはもともとヤフーBBがあるが、固定網との連携は。
孫:固定ブロードバンドとモバイルの連携は、他社の中で一番進んでいるんじゃないか。ドコモは分社化されたので、安易な提携は法律で妨げられています。KDDIもまだまだ、固定のブロードバンドという意味では新規参入。
Q:ドコモがNTT東西との固定との連携を強化しないと、やっていけないといっている。
孫:それをやるためには、NTTが完全な分社化を実施してから。分社化をせずに、国が筆頭株主で、いわゆる100年のアドバンテージを持ったままで、なおかつやりたいというのは、ちょっとあつかましい。
Q:直近では、株価が安値を更新している。投資家の評価はどう認識するか。
孫:株価は上がったり下がったりしていますが、中長期でみると、われわれの経営は着実に収益があがっている。個人的にはお買い得な投資だと。
Q:昨日、自社株買いを発表しましたが。
孫:言葉だけでなく態度でも示している。
Q:4Gのネットワークについて、投資額はいくらか。
孫:これから数千億円単位の投資が継続して行われる。
Q:4G搭載スマートフォンはいつごろか。
孫:来年中には。
Q:1兆円(の設備投資費)の投資額は今の4Gとは別か。
孫:外数(含まれない数)ですが、これから追加でやってきます。
Q:「2年間で1兆円」(の設備投資費)に含まれるのか。
孫:一部、バックボーンは共有して使うので、一部含まれていますし、鉄塔とか、土木のインフラは共有できるところがたくさんある。機器そのものは外数として行う。
Q:LTEの展開としては、世界でも早いと思うが、端末、基地局の調達コストがかさむのでは。
孫;ある意味では世界標準として、認識が広がってきていますから、ワンチップで、TDDとFDD(どちらも上がりと下りを分離する方式)とWCDMA(無線通信の方式)と、オールインワンチップのものが、これから続々と出てきます。そういう意味では高くつかない。むしろ、WiMAX(ワイマックス)とか従来型の特殊なものはかえって高くつくと思う。TDDについては、完全な世界標準になっていきますので、追加のコストはほとんどかからない端末が出てくると思う。
Q:ソフトバンクといえばアイフォーン。アイフォーン以外に力を入れる背景には何があるか。
孫:コメントできないことをわざわざ聞かないで。
Q:アンドロイドにも力を入れていこうという背景に何があるのか。
孫:これから、すべての携帯電話がスマートフォンになっていく。
Q:アップル以外の端末が高い印象があるが、価格差については。
孫:安いもの、高いもの、いろいろ出ます。
Q:KDDIがホワイトプランに対抗するプランを出してきたが、対抗するか。
孫:すでにわれわれはやっていますから。
Q:4Gの料金は、Xi(クロッシィ)と比べて魅力ある料金になるのか。
孫:価格についてはノーコメントだが、ソフトバンクがやる以上は、売れるようにということは当然。
Q:ウィンドウズフォンは
孫:今のところあんまり興味がない。ウィンドウズフォン自体が進化して、ニーズが高まってくれば、検討するが、今現在はあんまり。
Q:KDDIは「アンドロイドAu」というキャンペーンをしていたが、ソフトバンクはどのようなキャンペーンを。
孫:それはこれから。
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