金持ってる世代が分配金欲しがるんだろうなあ・・・世代間で分配してくれ!
世界的な株式市場の下落を反映して、投信運用が苦戦している。国内投信には8月だけで6700億円超が流入したが、株安や円高で収益率が悪化しているうえ、4000億円を超える高水準の分配金払い出しが重い負担としてのしかかる。
株安、円高、分配金という「三重苦」で残高は一向に積み上がっておらず、8月の純資産は前月から約2.4兆円という今年最大の落ち込みを記録した。「個人が投資しにくい状況になっている。投資を手控える動きも一部出ている」(国内証券)との嘆きも聞こえてくる。
<日銀のETF買い入れ効果などで資金流入は順調、通貨選択型は2度目の残高減>
日本銀行が積極的に行った上場投信(ETF)の買い入れ効果(7日間で計1732億円)もあり、8月の追加型株式投信(含むETF)への純流入額は6758億円となった(野村総合研究所のNRI─FPI)。前月に比べ約1500億円増加したが、ETFを除いた純流入額は3960億円で、前月に比べ約1000億円減少した。
高水準の資金流入が続いているのは「海外債券」と不動産投信を含む「海外ハイブリッド」で変わりはないが、そのような中「国内株式」に1000億円を超える資金が流入した。1000億円を超える資金が流入するのは07年9月以来。選好されたのはインデックスファンドで、なかでも日経225のインデックスファンドには630億円を超える資金が流入。「売られ過ぎと判断した投資家の買いが入った」(国内証券)という。他にも「相場と相関の低いオルタナティブ系ファンド『ノムラ・グローバルトレンド』などに資金が流入した」(野村証券・商品企画部)。同ファンドは最低投資単位が500万円の、マネージド・フューチャーズ戦略を通じて絶対収益を追求する運用を行うファンドだ。
一方、比較的高い分配金を実現していることで人気の通貨選択型投信の8月末残高は8.9兆円。前月の9.4兆円から4000億円超減少し、2009年の登場以来2度目の残高減となった。純流入額は3003億円。ブラジル・レアルへの流入額が前月から約1500億円減少した。
<株式続落・円高で収益率のマイナス幅拡大、分配金利回りは過去最高を更新>
NRI─FPIによると、8月末時点の追加型株式投信の海外資産に投資する投信の割合は全体の79%を占める。高水準の資金流入が継続する一方で、投資環境は思わしくなく、世界の金融市場の影響を受けやすい状況になっている。
8月は為替市場で円が全面高となったほか、S&Pによると、株式市場のパフォーマンスは、先進国がマイナス7.58%、新興国もマイナス8.89%と大きく下落した。
こうした投資環境を受け、8月の収益率は前月のマイナス1.8%からマイナス5.0%に大きく悪化し、マイナスは4カ月連続となった。前月同様、「国内債券」以外、すべてのカテゴリーでマイナスとなった。
マイナスの収益率でも資金が流入し続けている背景には、高い分配金や高分配利回りファンドを選好する個人マネーが流入しているため。純流入額ランキングでは、上位20本中10本の原資産がハイイールド債を含む外債、4本がREIT(不動産投信)だった。
基準価額の下落を背景に分配利回りはいずれも上昇傾向にある。追加型株式投信は全体で9.9%、除くETFで9.2%となり、いずれも過去最高を更新した。通貨選択型も前月からさらに上昇し17.0%となっている。通貨選択型の海外ハイブリッド型は20%を超えるなど、極めて高いことが資金流入をけん引している。
<不安定な欧米の金融情勢背景に投資手控えも>
前月に引き続き高水準の資金が流入したが「証券も銀行も(投信)営業担当らは浮かない顔をしている」と話すのは運用会社関係者。「ボラタイルな市況は怖い、と投資を手控える人が出てきているようだ。期末を前に投信販売に力を入れたいが、リスク資産は総崩れで円高も進み、思うように商品の説明を聞いてもらえない」(国内投信)という。
一方では、相変わらず「高分配のREITファンドの窓開け(販売開始)はいつか、というような問合せもある」(大手証券)。他にも「新規募集の分配型があると、投資先の原資産の説明を遮り、毎月の想定分配金を聞いてくる投資家もいる」(国内証券)といい、投資家の目は分配金に行きがちだ。ボラタイルな金融市場を前に『顧客の資産をどう分散させていくのか』を念頭に営業している営業マンからすると、「投資家に勧めたい商品」と「売れる商品」にはギャップがあり、現実は厳しいようだ。
2011年9月8日木曜日
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