とにかくたくさん普及させて、技術向上していけばいいですね!
日本有数の“晴天の町”として知られる群馬県館林市に新しい太陽光発電所「館林ソーラーパーク」がお目見えした。事業主は航空測量大手企業として知られる国際航業を核とする持株会社、国際航業ホールディングス。
設備全体の定格出力は455kWとメガには届かないが、9月9日から東京電力への売電を開始しているという。年間売電量は出力1kWあたり1000kWh、全体で約45万kWhを見込んでいる。再生可能エネルギー促進法に基づく電力買い取り価格が40円となった場合、売上は年間1800万円という算段となる。
12日、同社は館林ソーラーパークをマスメディアに公開した。当日は空には所々に積雲が浮かぶ程度の絶好の晴天で、気温も9月としては相当に暑く、12時には現地実測で33度に達していた。多結晶シリコン型ソーラーパネルは高温になると効率が低下するという特性を持つため、このときの実出力は約350kWだったが、気温が下がる10月頃から先は、定格出力に近づく見込みだという。
「日本ではメガソーラーのコストがとても高く、高額な電力買い取り価格を前提にしなければ採算に乗りません。しかし、日本に合った発電所設置法などを研究したり、発電所需要自体が増えることで、コストを下げることは十分に可能だと考えています。当グループの国内事業としては宮崎ソーラーウェイに続く2番目の太陽光発電所となりますが、今後さらに太陽光発電所の全国展開を進めて、コスト低減を巻き起こしたい」
国際航業HDの呉文繍社長は意気込みをこう語る。この館林ソーラーパークは、曙ブレーキの工場跡地を利用して建設された。土壌汚染があるため、土地を掘り返すことも規制されている土地である。今日、孫正義・ソフトバンク社長はじめ、耕作放棄された農地にメガソーラーを建設するという機運が巻き起こっているが、同HDの山下哲生会長は、それに異を唱える。
「今後のTPPの行方など、社会状況によって日本の農業がどうなるかわからないのに、耕作放棄地を農地として活用不能にしてしまうことがいいとは思わない。まずは土壌汚染区域など、活用できなくなった土地を使っていくべきだ。ソーラーは日照さえ確保されていれば、どんなに劣悪ところでも発電所として機能するのが特徴の一つ。無価値同然となった土地に価値を与えられるのも、ソーラーのメリットのひとつ」
日本ではまだ産声を上げたばかりの太陽光発電。今は効率が低く、投資対効果が低いが、一方で「現在の技術開発のロードマップを見ればわかるのですが、遠くない将来、ソーラーパネルの効率が飛躍的に上がる時が来る。今からソーラーを社会にインストールすることに慣れておくことは、周辺技術開発を後押しするという観点からも大事だと思う」(パナソニック首脳)という声も上がっている。館林ソーラーパークは太陽光発電所としては小さいが、再生可能エネルギー開発の狼煙としては意義深い存在と言えよう。
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