2012年7月22日日曜日

うなぎ業界、価格急騰で夏バテ…どうなる「土用の丑の日」

うなぎって雑食だから天然の輸入物とか抵抗があるんだけど、そうでもない?うなぎならなんでもいいのか?


うだるような暑さを乗り切るスタミナ源のウナギ。1年でうなぎが最も売れるという27日の「土用の丑の日」まで1週間を切ったが、価格の急騰で業界は弱り果てている。追い打ちをかけるように、米国が野生生物の保護を目的としたワシントン条約の規制対象にウナギを加えようとしていることも判明。うなぎはもう食べられなくなるのか。アフリカ産の輸入などで活路を見いだす試みも始まっている。

 うなぎ専門店が100店以上ひしめく静岡県の浜名湖周辺。明治42年創業の老舗のうなぎ店「八百徳(やおとく)本店」は例年なら書き入れ時だが、店主の高橋徳一さん(62)は「完全に客が離れてしまった」と硬い表情のままだ。

 高橋さんの店も含め、周辺の店は今夏、主な商品を数百円値上げした。うな重は肝吸い付きで2800円になった。高橋さんは「仕入れ価格が4割以上にもなり、やっていけない。何の対策もできず、指をくわえて価格が上がるのを見てるだけです」と憤慨する。

 水産庁によると、ウナギの稚魚が3年連続で不漁となり、成魚ともに価格が上昇。日本養鰻漁業協同組合連合会(静岡市)によると、稚魚は今年1キロ当たり約240万~250万円の値が付き、昨年の86万円の3倍近くに上がった。

 さらに、資源量の減少を懸念する環境保護団体からの要望を受けて、米政府は野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約の規制対象にするか検討に入った。規制を免れるためには、国内での養殖が不可欠だが、ウナギの養殖場で卵から孵化(ふか)する完全養殖をしている所はない。現状では海外から稚魚を輸入して育てるしか方策がない。

 危機感を募らせた水産庁の依頼で、水産総合研究センター(横浜)は7月、「ウナギ統合プロジェクトチーム」を発足させた。稚魚を人工的に大量生産する技術の研究開発を進めるためだ。同センターは平成22年にウナギの完全養殖に初めて成功している。しかし、孵化から稚魚に育つまでが非常に難しく、現在の技術では年間600匹程度しか生産できないという。

 輸入の99%を中国・台湾に頼る現状を打破する試みも始まっている。浜松市の商社「昭栄商会」は6月末、アフリカ・マダガスカル産の輸入を試験的に始めた。

 評判は良く8月から毎週1トン近くを輸入する。アフリカからの本格輸入は日本で初めてで、国産養殖ものより4割程度安くできる見込みだ。

 同社の江塚浩之販売課長は「フランス料理にも使われており、ニホンウナギにも一番近い味。日本人の口に最も合うのでは」と期待している。

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